サックス始めるなら絶対アルトから?

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って質問を見かけたので勝手に答えてみます。

Q:始めるのは絶対にアルトから?

A:なんでもいいと思いますよ。
吹きたい!と思ったものから始めればよいかと。
なぜ一般的にアルトから、と言われるのでしょうか?

始めるにあたっての各楽器のデメリット/メリットについて考えてみましょう。

先ず、バリトン。
運ぶのが大変です。
首からブラ提げてても重たい。
手が小さくてもかまわないが、腕が短いと右手が大変かも。
マッピが大きいので口が小さい人は大変かも。
息の消費量が他より若干多い。
アルトやテナーと較べて良質な楽器の選択肢が狭い。
マウスピースも店頭在庫が少なく選択肢が狭い。
高価。リードも。

でも、

かっこいいです。
バリトンにしか出来ないことや役割があり、
見た目以上に存在感がモリモリな楽器です。

 

次にソプラノ。
低い音域の楽器よりも、音程のズレが目立ちやすい。
音色などなどあらゆる事々でもブレが目立ちやすいので安定させるのに苦労する。
 ↑いずれも繊細なコントロールが必要ってことです。

マッピが小さい、つまりリードの面積が小さいからピンポイントに唇にかかる圧力が大きい。
すなわち下唇が痛くなりやすい。
それはスィンリップの場合で、ファットリップの人は疲れやすい。

口が大きい人は、狭い範囲に筋肉と神経のコントロールを集中させるのに最初は手間取るかも。
ストラップはほぼ無意味(脱落防止でしかない)で、かなり右手に重たい。
と、意外と右手が遠い。
マウスピースの店頭在庫は少なめで、自分に最適と思えるものに出会いにくい。

でも、

とにかく小さくて軽いから運ぶのも楽珍。
身体の小さい(=腕の短い)人でもカーブドソプラノなら大丈夫。
組み立てと分解が楽ちん。
 (ネック分離式だと逆に手間取ることも。
  一体型なら金管なみに速く組み上がる)
リードが小さくて安い。
で、もちろん、かっこいい。
独特な音色は他には替えがたい魅力ですよね。

 

さて、テナー。
思いのほか大きくて重い。特に運ぶとき。
それ以上のデメリットを思いつかないなぁ、、、。
本体もマッピもリードも豊富な種類の中から自分に合ったモノを選びやすい。
もちろん、かっこよいです。

 

では、アルト。
最初は案外重いと感じますが、許してやろうと思える範囲。
テナー同様にデメリットを見つけにくい。

 

では何故、テナーよりもアルトと言われがちなのでしょうか。
それはひとえにクラシックの世界でのサックスの歴史によるのでしょう。
20世紀初頭にマルセル・ミュールさんが「サックスかくあるべし」というスタイルを確立しました。
それ以来、大同小異、誰もがソレに憧れ目指してきました。
目標地点として最も明瞭な対象でしょう。

歴史の深い楽器達には無い景色ですね。
まだまだ新しい楽器だからですね。

もちろんこの数十年でミュールさんを凌駕するような優れた演奏家は沢山登場してます。
目指す音や演奏表現も多様になっていくのでしょうね。

演奏家によりフランス系、アメリカ系という微妙な違いはあるようですが、他の楽器でのフランス、ドイツ、アメリカの違いほど明瞭で大きな差ではありません。

道しるべとなるような演奏のほとんどがアルトで残されました。
それが「先ずはアルト」の根拠でしょう。

とはいえ、他の楽器でも注目されるクラシックの演奏家は増えてるので、今後は変わっていくのでしょう。

あ、そうそう、生徒皆がアルトにしてくれると教える側が楽珍って事情は大きいかと。
私のレッスンでは生徒の楽器に応じて何本も教室に運び込むのは当たり前、です(汗

 

さて、
ジャズ、ポピュラーの世界では全く事情が異なります。
「世界中で自分にしかできない表現」を尊ぶ世界ですから。
そこでは他のどの管楽器よりもサックスの自由度が活躍できます。
当然のように沢山のスターが産まれました。
誰一人として同じ音の人は居ません。
「○○にソックリ」だとしたらスターにはなれない世界ですから。

 

テナーの演奏に憧れたならテナーから始めるべきです。
もちろんソプラノでもバリトンでもかまいません。

ただし体格的問題は考慮せねばならないこともあるでしょう。
手の小さな人にはソプラノを奨めます。
腕が短いなら(お子様も)カーブドソプラノを勧めます。

ただし、ソプラノであってもメーカーによっては左手の大きさ(掌の大きさ、各指の長さ)が「届かない」場合もあるので、必ず実物に触れて判断しましょう。

直管ソプラノを支える腕力に自信が無いならストラップを使えるアルトも勧めます。
その場合、腕力だけの問題では無いでしょうから、首だけでなく肩や背中でも重さを支えられるような、よく出来たストラップも共に奨めます。

 

とはいえ、上達するエネルギーの源は「憧れ」です。
とにかく、最初に「気になった」楽器・仲良くなれそうな楽器からトライしましょう。
そこで悩んでから他の可能性を考えるのがよいと思います。

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