タンギング時に息をとめちゃう問題

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シングルリード管楽器のタンギングについて。
初心者が陥りやすい落とし穴についてメモします。
先日書いた↓以前の話です。

気を付けてないとついつい、やってしまいがちなこと。
でも癖になると後々、上達に大きな壁となります。

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タンギング時に息をとめてしまう原因

区切りのタンギングの際、呼気を止めてしまう人が居ます。
原因はこういうことでしょう、、

声で歌ってるとき、
並んだ同じ高さの音の間に区切りを付けたいとします。

子音を使えば簡単に区切れますね。
でも、
子音を使わず母音だけで!
と言われたら大抵の人は
 A)声帯を一瞬締めてその母音を発音しなおす
 B)呼気を一瞬停めて発声しなおす
のいずれかをします。
いずれも口から出る呼気は一瞬止まります。

それらの方法は口笛でもよく使われているでしょう。
子音で区切る人は少ないと思われます。

発想の柔軟な人なら、母音の形を変えて
「あ〜え〜い〜」で区切るかもしれませんね ^_^
あ、
口笛でそれをすると音高が変わる (^_^;

AかB を、サックスでもしたくなってしまうのが原因でしょう。
それらとタンギングとは両立できません。
タンギングを使えたほうが効率良く美しい結果になります。

勿論、表現法の1つとして使いこなせるなら、沢山の手段の内の一つとして AB を選ぶ「時もある」のは否定しませんけどね。

息を止めないで! 区切りのタンギングで

タンギングには3種類
 ・止音
 ・区切り
 ・発音
詳しくは↓

区切りのタンギングの際、呼気を止めてしまう人が居ます。
タンギングによって実際には楽器に入る呼気が止まるとしても、
「息を出し続けようとする身体の状態」
は止めないようにしましょう。
呼気に関わる諸筋の緊張は解かない、ということです。

それがタンギング直前直後の音圧・音色・音質を同一に保ちます。
旋律をスムーズに繋げて進めるのに不可欠です。

1フレーズを1息で吹ききることで1つの意味の塊=1文節として表現することになる、それも大切な事です。

呼気動作を止めてしまうと、直前直後での音に同一性は保てずギクシャクとした旋律になります。

マルカートの区切りタンギングは
一瞬のスタカート
です。
一瞬だけ音圧がゼロ(或いはほぼゼロ)になる、
です。

なので、ゆっくりしたスタッカートの練習が効果的。
 ・舌がリードの振動を止めている間、呼気に関わる諸筋とアンブシュアの緊張を緩めない
 ・その間、リードと下の歯上端の距離を狭めない=顎を上げない
…がキモです。

発音の際も、○と○を同時には…

発音のタンギングでも「舌離し」の瞬間の直前までには呼気圧を充分に上げる必要があります。
「までには」=本当に一瞬直前にでも、数秒前にでもよいということ。

舌を離すのと呼気を「出し始める」のを同時に行おうとしても間に合いません。
先に舌をリードに触れて、呼気圧をあげておいてから舌を離すからポンとリードが動き始めます。

実際の演奏ではそれに必要な時間を極力小さくすることになります。
発音直前にいつも「ス~」と雑音が聞こえるのは聞き苦しいし、隣の共演者が慌てて飛び出すこともあるので。

ですが、順序立ててしっかり身に付けるには、わざと時間差を大きく作って練習するのは佳いアイディアです。
ただし、その「時間差」がクセにならないようには気を付けましょう。

発音をうまくするには

もちろん上記以前に
「息を入れさえすればリードが振動を始めるようなアンブシュア」
が出来上がってるのは必須です。

その為には、タンギング無しで、
 ・呼気を楽器に吹き込む、アンブシュアゆるゆるで風の音
 ・口輪筋によるリードへの必要充分な圧力を少しずつ高める
(クラの場合は構え方による下の歯を土台とした圧力も含め)
 ・ポンと鳴ったらそれ以上は圧力を高めずロングトーン
 ・アンブシュアのアジャストを更にユックリ行い…(この点詳しくはレッスンにお越しくだされ m(_ _)m )

…といった練習が効果的です。

その結果、息を入れさえすれば音が始まるようなアンブシュアが身に付きます。
ですが、その音のアタマは、一瞬で行われるクレッシェンドなのでモヤっとします。
そこで上記の段取りで発音のタンギングを行えば、クッキリと立ち上がるようになります。

 
この発音時の問題も、ユックリとしたスタッカートの練習が問題解決の鍵となります。
音が気持ちよく出てる状態のアンブシュアと、呼気の為の呼吸筋の緊張を保持したまま、舌でリードの振動を止めてる時の状態をよく観察&記憶。
それを、パクっとマウスピースを咥えた時に直ちに再現できれば、発音のタンギングは巧くいきます。

音を止めるタンギングの時も…

止音のタンギングでも同じ。
ピタっと一瞬で止めたいならば、呼気(の量とスピード)を保ちながら舌をリード先端に触れます。
音が止まってから呼気圧とアンブシュアを緩めます。

舌を触れるのと同時に呼気を緩める(実際にはその直前から緩め始めるわけですね)と音のお尻がボンヤリとします。
 ・ピッチの揺らぎ
 ・音色、音質の揺らぎ
 ・音圧の「不随意的な」減少
 ・噛み締めすぎのアンブシュアだとお尻で裏返ったりもする
…などなどが「ボンヤリ」です。

ピタっと止められることは、
 ・グルーヴィーなフレージング
 ・明瞭なスタッカート
…などに不可欠です。

 
この「止める」時にも顎が舌に追随して上昇してしまうと、ボンヤリの原因になります。
次に発音する時のモヤモヤの素でもあり。
その件、詳しくは本ページ随所に貼った関連件リンクの各地で書いてますので探してみて下さいませ。

音のお尻を舌で止めるの?

フレーズのお尻を「消え入るように」処理したい時はありますよね。
え?殆どそう?
ジャンルによってはそうでしょう。
それはタンギングの仕事ではなく、デクレシェンドです。
音高と音色に影響を与えないように音圧操作の練習をすれば実現します。

ポピュラー音楽はリズムが命です。
メロディー楽器奏者でも、如何にリズムを表現し「続ける」か、が大切です。
発音の位置だけでなく、止音の位置もリズム表現の大切な道具です。

だから、如何にピタリと音を止めるか、如何にその直前で歪みを生まないか、が大切です。
お尻の歪みは、進み行く時間の流れにタワミを感じさせるので避けたいのです。

ポピュラー音楽であれ、フレーズのお尻を減衰させる場面は多い。
つまり、必要に応じて「意図的」に操作した結果であるか否かが重要なのでしょう。

 
さて、「ありがちな呼気を止めてしまう姿」は2種類。
以下にそれぞれを詳しく見ていきます。

声帯を一瞬閉じる

タンギングを知ってその練習をする前に癖になりやすいことです。

声帯を狭めることで呼気を一瞬止めて区切ると、ノド(正確には喉頭の上端辺り)から「ウ(ともアともンとも言い難い)」と声にならない声が聞こえます。
 
口笛で音を区切る方法として使う人が多いのが陥りやすい原因でしょう。

※果たして本当に「声帯」の開け閉めなのか、喉頭上端辺りのナニカの開け閉めなのか、厳密には取材不足です。
近いうちに医者に訊いて真実に迫ってみます。

初心者がレッスン中に、思ったような発音ができなかった時、慌てて音を出そうとすると「ウ、ウ」と聞こえがちです。
とにかく音を出そうとして、声を出す気持&勢いがつくような気持とが相まって「ウ」となるようです。

タンギングは、或いは発音とは、
いつも元気よくボン!って勢いよく、ってことは望まれてません。
ポ と喋り始められればよいのです。
ボン!という必要がある時にボン!と言えばよいのです。

音を出し損ねた時は慌てずに、息を吸い直すことから始める或いは、進んでるフレーズの途中から乗り直すのを奨めます。

「ウ」がクセになってしまうと、発音のタンギングの際にも「ウ」をしたくなってしまいます。
そうすると舌で行おうとしてる作業は無意味になります。

「ウ」の結果の発音は、結局はタンギング無しで呼気のみでの発音なので、モヤモヤとしたものとなります。

さて、
区切りのタンギングの替わりに「ウ」を使ってしまうと、やはり明瞭にはリードの挙動に影響を与えられないのでモヤモヤします。

演奏中に声帯を閉じたり発声したりするのは、グロウル奏法だけ、と「先ずは」思っておくのがよいでしょう。
「先ずは」とは、上達すれば表現法の一つとして声帯の微妙な開け閉めも使える可能性があるからです。

呼吸筋で停める

呼吸筋とは呼吸に関わる諸筋の総称です。
呼吸は不随意的に継続するもの(ホメオスタシス=恒常性、生体が状態を一定に保とうとする自然の働き)ですが、随意で停めたり深さ&速さを調節もできます。

随意的操作をせずリラックスした状態が
 「日常の呼吸域」
それよりも
 A「頑張って吸い込む領域」

 B「頑張って吐き出す領域」
があります。

Aだと関係諸筋の脱力をすれば、自動的に呼気が発生し日常の呼吸域まで戻ります。
Bだと、脱力で吸気が起こり日常の呼吸域まで戻ります。

A~日常域~B

その間のいずれの箇所でも呼吸動作を一時停止できます。
 (声帯を閉じることなしに)
それを「呼吸筋で止める」と称することにします。
もちろん停めるだけでなく速度と深さの調整もできます。

区切りのタンギングのたびに呼吸筋で呼気の停止 or 減退を行うと、音のお尻もアタマもモヤモヤとします。
タンギング前後での音質の一致も図りにくくなります。

1つのフレーズの中は1つの息を通しましょう。
歌を唄う時に、1文字ずつ呼気を弱めたり強めたりしませんよね?
すくなくとも1つの単語は1つの息の中で歌いたいですよね。

もちろん、音圧操作の為には微妙な呼気圧の操作は必要です。
それも「1つの滑らかな流れの中で」行いましょうということです。

区切りのタンギングのたびに、意図的にでなく不随意的というかクセで呼気圧をペコペコ換えるとフレーズは「一繋がり」には聞こえにくくなります。

ジャズ的な例外、グルーヴとは

ただしジャズ演奏でのビバッピーな或いはスインギーなアクセントが必要な際にはペコペコも普通に行われます。
8分音符が連続すると、ウラの8分こそ音圧は強くなる音楽だからです。
メロディーの本来の意味の上では、それはウラではなくオモテ(=喋り始め)だからです。
クラシカルなリズムの捉え方で言えばウラなので便宜上ウラと呼んでるだけです。

技術的には、
 1)オモテの8分はハーフタンギングで響きを殺し、ウラで舌を離すことで「off / on」を表現する
 2)ベーシックな音圧を小さめに抑え、オモテはベーシックな音圧で、ウラでレガートなタンギング(一瞬のハーフタンギング)と共にその瞬間に呼気圧を上げてアクセントとして演奏する
…のいずれかが代表的なやり方です。

その2つ目はつまりペコペコですね。

ちなみに、
旋律の形によっては、見た目は8分の連続でもアタマにアクセントが置かれる場合もあります。

 1)旋律の核が4分音符で、8分ウラが分散和音的修飾音の場合は「4分音符の尺」でのウラオモテのウラ(4分の2&4拍目、8分の尺では奇数拍目=オモテ)にアクセントが置かれる。

 2)旋律形がポリリズムを成す時その区切りの頭にアクセントを置くと結果的にアタマとなる。

…といった辺りが代表的な例です。

1つ目は、センチメンタル・ジャーニーの2小節目の1,2拍目、
2つ目は、イン・ザ・ムード、
を思い浮かべると解りやすいですね。

蛇足ですが、、
センチメンタル・ジャーニーのメロディーはエラいツクリをしてて、
1小節目は、2分音符の尺でのウラオモテのアクセントが、
2小節目は、1〜2拍目が4分の尺で、3〜4拍目は8分の尺でウラオモテのアクセントが表現されます。

ただし、そういったペコペコも表現の必要次第で
 ・意図的に行うこと
 ・一定の周期で規則的に繰りかえされること
…で「グルーヴィー!イェイ!」という結果に繋がります。

グルーヴの源は、時系列上での出来事の規則正しい繰り返しですから。
大昔のシャーマンにも中米のルンバの祭事にも打楽器が付きものなのは、その規則正しい繰り返しがある種の精神作用を及ぼすからですね。

精神作用、とは例えば
「ノリノリだぜ〜イェ〜イ!!」
といったことです。
それが深まった状態をトランスなどと称するのでしょう。

意図的でこそ説得力、でも上達とは…

演奏表現の為の動作は意図的でありたいものです。
クセとか不随意的な動作はその分、演奏の説得力を減退させると思います。

とはいえ、上達とは意図的操作を習慣化し不随意的動作となることも意味するので、なにをヨシとするかは判断が難しいところです。

判断基準は、自分が実現したい結果になってるか否か、でしょう。

まずは、ナニを実現したいか、そのイメージを明瞭にするように心がけましょう。
練習を録音して聴き直すなどして、そのイメージに近づけてるか確かめる習慣をつけましょう。
それが、なにをヨシとするかのセンスを育ててくれると思います。

 
ちなみに、この本件症状に思い当たる方は下記2件も併発してる可能性が高いのでぜひ御参照あれ↓

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