オルタードスケールと仲良く_メイジャー側からジワジワ編

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オルタードスケールと仲良くしたい、
歌うように自在に使いたい。

アドリブを志す人、曲を書く人…
ジャズっぽいメロディーの入口で、且つ
誰もの壁になりやすい音階。
その理解と活用に近道があるといいですよね。

このテーマについては今までも何度か書きました。
主に「マイナー側からアクセスすると楽珍だよ」
って書き方をしましたが今回は逆にメイジャー側から寄せてみますね。

メイジャーのトニックの音階を ドレミファソラティド
とすると、ドミナントにオルタードを使おうとすると
臨時記号♭を5つ足すことに。
大抵その段階でオツム爆発するわけですね。
臨時記号を巧く付けられたとしても、
耳馴染みの薄い音列だから、結果の評価が難しく
気持はフワフワしたままになりがち。

どうしたら運指ばかりでなく耳馴染みも育てながら
自信を持って歌える音階にできるかな?

レッスンの板書と事後のメモ書きです。
生徒がレッスン内容を思い出しやすくするようなメモ。
なので、文字の足り無さを埋めたくなったらレッスンにお越しくださいね。

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オルタードスケールとは?

直訳すれば「変化された音階」
変化を受けるのは「普通の音階」ですね。
クラシカルな西洋音楽の価値観で言えば一番普通なのは
 ・メイジャースケール(長音階)
厳密に詳しく言えば
 ・メロディックメイジャースケール
ですね。

その中の音幾つかに臨時記号を付けた結果の音階ということですね。
ただし、
臨時記号とは一般的に「一時的な転調/転旋 」を示すものですが、
この場合は、
ナニカ別の目的があって臨時記号を付けるようです。
それがナニなのかを次項に続けますね。

ナニをめざして如何に変化を加えるの?

ブルーズフィーリングを効率良く実現するのが目的。

長音階(など西洋音楽の骨格となる基本的音階)に対して、
その構成音以外に、構成音に働きかけてブルーズを発生させる音がある。
それらを元の音階中の近い音と「差し換えて」あげる。
その結果は様々な姿となり得るが、総じてそれらをオルタードスケール(広義の)と呼びます。

基本的音階の要素で構成された和声環境に対して、
オルタードスケール中のブルーズ機能を持つ音は、
環境中でそのすぐ近くの音、つまり半音でぶつかる音との
「相互関係」でブルースフィーリングを発生させます。

「如何に?」については、譜例とその説明の項目にて詳説しますね。

音楽理論体系に新たな筋を加えたブルーズ

オルタードスケールの発想・体系化・定着は、
ジャズの世界で主にビバップというスタイルの萌芽期(1940年代)に起こりました。
その発明はその後の音楽に、和声・旋律・調性…など関わる発想の可能性を大きく拡げました。

ヨーロッパのある地域ある階層の間で発展したクラシック音楽では、
 (クラシックって言葉は「古い」ってだけでなく「ある社会階層の」って意味合いも濃く含みますね)
旋律や和声・その源泉となる音階、歴史が培ったそれらの結果的な姿を説明する概念=音楽理論も高度に発展しました。

大雑把にはその体系は2つに大別されます。
 ・旋法的
 ・機能和声的
です。
 (長くなるんで、ここでその詳細説明は避けますね)

アメリカ大陸で白い人と黒い人の文化が出会うと、白い人が思いもしなかった音楽が湧きました。
ピタゴラスが「音階とはこういうものでない?」から始まったクラシカルな諸体系、
その中の常識に縛られて聞こえなくなってしまった音感があり、
それを黒い人はペロンと聞かせてくれたのだと筆者は想像します。

白い人の楽器に黒い人が触れた時、黒い人が「普通こうだよね~」と思う音を出すのに不自由だったことでしょう。
その折り合いを付ける方法として発見されたのがブルーズ的方法と思ってます。

その時、上記2体系に
 ・ブルーズ的
が加わったと言えます。
つまり「別の」概念領域が拡がったってこと。

「ジャズやロックでは音楽理論では説明できないことが起こる」
ってよく目にするけど、
そうじゃなくて、その人の知ってる理論の範疇では説明されてないってだけ。
ブルーズの存在ありきの体系では説明できることが殆ど。

そこで説明できないが美しい出来事は、
現在本当に価値のある発明で、
きっと数年後には理論として説明されることなのでしょう。

さて、
ブルーズ的世界での諸方法は、
 ・白と黒の出会い
 ・レコードの発明
 ・ラジオ放送開始
があったからこそ爆発的に世界中に広まった音楽の殆どに影響を与えています。

文字通りにブルーズというジャンル名はあるわけで、
それは最もブルーズ的発想の原初的姿に近いものを今に伝えています。

ジャズもリズム&ブルーズもロックンロールもその後のロックも、
全て影響を受けた音楽です。
それらがあったから存在してる諸スタイルも全て影響下にあるわけです。

ブルーズは如何に発現し、如何に使われるか

については、↓に阿呆ほど詳しく書いたので御参照くださいませ。
『明解!ツーファイブで使える音階 ~ブルーズの謎を解く~』
 http://bit.ly/KT_blues_251

ディープパープルの歴史的意味合い

レッドツェッペリンと共にハードロックの歴史を拓いた偉大なバンド。
爆音とか強烈なリズムとかが一般的には開拓者として評価される所ですが、、

ロックの道筋の中にはあるので、主に黒人音楽的語法の中には居るが、
さすが真っ白な人達。
クラシック音楽の常識に囚われたままの語法も多く含まれている。
なんというか…テヘペロっな感じで (^_^;

逆にそれがロックの歴史に新たなテイストを加えたし、
それ故に、ヨーロッパ各地でハードロックは受け容れられ、
独自な発展も遂げたんだろうな、と感じてます。
それについては稿を改めてまた詳しく書くつもりです。

<追記>
ん?、なぜここにこんなこと書いたんかな?
ん〜、最近よく聴いてる、んだけどね (^_^;

ドミナントコードの上でオルタードする意味

トニック(主和音)は、
安定・安住・安堵・安心・ホーム・静謐…を旨とします。
サブドミナント(下属和音)は「わりと」安定・安住・静謐…です。

トニックが自宅だとしたら、サブドミナントは居心地のよい友人宅。
何時間でもそこに居られるが、自宅に戻ればやはりホッとする、
そんな関係です。

ドミナント(属和音)は、
不安定・危惧・動揺・ビジター・喧噪…を旨とします。
「早くお家に帰してくれ~」と感ずるブラックな職場と言えば解りやすいでしょうか。

音楽用語で言うならば、
 ・トニック・サブドミナントは協和的
 ・ドミナントは不協和的
です。

ドミナントの不協和性は
「早くトニックの協和的響きに解決したい」
と人間に思わせるものです。

と同時に、
「帰り着きたいと願う先のトニック、それはオマエだ!」
と指し示す力も持っています。
つまり、トニックがドコかを特定する作用です。
あるトニックを従属させ(支配し)ている、とも言えます。
だから属和音なのです。

生まれつき「不協和だぜオイラなんかさ、ってか不協和が使命だでよ」だから、
基本的音階=長音階の構成音で作れる以上の不協和も受け容れやすい素養を持ちます。
なので、
様々な不協和を実験する土壌として有り難く相応しいのです。

ジャズに於いては単に「より不協和を求める」ということではなく、
「ブルーズフィーリングを巧く表現する」ために、不協和の姿を選びます。

わざとその逆「なんだか白い音がする~」という不協和を選ぶこともあります。
とはいえそれも、どうすれば黒くなるかが判ってるから白い方にも行けるわけで。

もちろんトニックでもサブドミナントでもブルーズの発現させ方はあります。
それはまた稿を改めますね。
ここではドミナントでのブルーズ発現法を観点とします。
待ちきれない方は上に紹介した書籍に阿呆ほど書いてるんでクリックしてみて下さいませ。

ブルーズフィーリングの聴体験を深めつつ練習

こういう話は机上の勉強だけでは無意味です。
 ・聴きわけられる
 ・歌える
 ・楽器操作に移し替えられる
 ・五線に書き留められる
…それらに至るのが目的です。
実際の音楽的体験を経ずして辿り着けません。

近道となりそうな練習を日々開発してます。
昨日のレッスンではこんな板書…

なんのこっちゃ(笑
この生徒には自分で板書メモしてもらってるので、時々そうなる。
下半分は筆者の加筆ですが、やはりナンノコッチャですね(笑

なわけで清書したのがコチラ↓

これをですね、i Real pro とかで、こんな↓伴奏を鳴らした上で練習。
もちろんエニーキーで。
これね、スゴく面白いよ。
白いメロディがヒョイヒョイと黒くなってくのを感じ取り易いから。

あ、反省点っ、
写真では各段2小節目が「○7 alt」ってなってるけど、
この練習では、ただの「○7」とか「○7(9)、○7(9,13)」にするのがベター。
和声側が「長音階ですっ!」って音で、
それに対して、変化させたメロディ音を半音でブツケた響きが大切なので。

でね、これを一通り触ったら、01 のような真っ白い(臨時記号の無い)251 のメロディを自分で作って、このルールを適用するわけ。
とてもよい頭と耳の体操になります。

ジワジワと黒くなってくよ

01)
いわゆるツーファイブワンのコード進行、メイジャーの。
音階的動きでコードへのフィット感も判りやすいし技術的にも敷居の低いメロディ。
つまりメイジャーの 251 は 1 の長音階イッパツでもイケるってこと。
ただし、どこにもジャジーな響きはない。

1小節目でベッタリと長音階をオサライ。
3小節目でトニックの3度に落着してからアルペジオ的に。
 その2小節は以下ゾロリの練習全てで共通。
変化し続けるのは2小節目だけ。

02)
Cメイジャーキーの6を b6 に、
G7 の2を b2 に、とも言う。
 これだけでちょいとジャジーになりますね。
 ジャズ初心者が最初に喜ぶヤツですね。
 厳密にはブルージーと言い切れないものですがメランコリックで洒落た節ですね。
 ん~、サブドミナントに対してブルーズが機能してるとは言え、る。
  C ハーモニックメイジャーの第5モード
  G ミクソリディアン b2
  G7 (b9, 13)

03)
キーの3を b3 に、
G7の 13 を b13に。
 Eb の音を出した瞬間にグっとブルージーに。
  C メロディックマイナーの第5モード
  G ミクソリディアン b6
  G7 (9, b13)

04)
キーの 3 & 6 を b3 & b6 に、
G7 の 2 & 6 を b2 & b6 に。 
 C ハーモニックマイナーの第5モード
 G ミクソリディアン b2 b6
 G7 (b9, b13)

05)
04に加えて、
 キーの 7 を b7 に、
 G7 の 3 を b3 に。
  C ナチュラルマイナーの第5モード
  G フリジアン
  G-7 (b9, b13)
 この音階だけだとマイナーな響きだが、リズムセクションで 3 が鳴ってる限り全体としては G7(#9) として響く。

06)
05 に加えて、
 キーの 2 を b2 に、
 G7 の 5 を b5 に。
  C フリジアンの第5モード、というか
   Ab メイジャーの第7モード。
  G ロクリアン
  G-7ø (b2, b13)
 これもマイナーなばかりかハーフディミニッシュトな音階だが、リズムセクションで 3 が鳴っていれば全体としては G7(#9) として響く。ただし、#2, 3, 4, b5 が共存する、つまり半音が3連続するので、音階のキャラクターは甚だ不明瞭とはなる。

07)
06に加えて、
 キーの 1 を b1 に、
 G7 の 4 を b4 に。
  C からは数えられないから…
  Ab メロディックマイナーの第7モード、
 あるいはステイアブルな場所を探せば、完全4&5を含むのは
  Eb ミクソリディアン b6 ( Hindu scale ) の第3モード
 あるいは倍音列に適った音列としては、
  Db リディアン b7 の第4モード
 つまるところ、
  G オルタード
  G7 b5 (b9, #9, b13)

08)
これはオマケ。
 G dominant diminished scale
別名
 G combination of diminished chords scale
またの名を
 G Half-Whole diminished scale

どれもオルタードではあるけどね

02~07 の全てを広義でオルタードスケールとは呼べます。
が、ジャズの歴史の結果は、
特に 07 を特にオルタードスケールと呼ぶことになりました。
特別扱いするに足るマジカルな音階だからですね。

ちなみに 08 は8音音階なので、普通の7音音階にオルタレイションをかけたものとは扱いません。

が、上記の「マジカル」が、ブルーズ現象の捉え方を拡張し、やがて「コンディミ、イイじゃん♪」と言わせたってぇな関連性はあります。

その昔、ジョージラッセル先生のバンドで、彼が「more blues !」って言うから、一生懸命 マイナーブルーズスケール で古典的ブルーズリックを突っ込んでたら、真っ赤な顔で「more ! more ! more blues !」って絶叫するもんだから、コンディミでフニャフニャしたらニコニコしてくれた ^_^ 。
今になってそこにジャズの歴史を感じるわけです。

ジャズの和声感覚は、クラシックの協和/不協和感とは正反対と言えます。
クラシックでは不協和で不安定と言われる響きが、安住の響きだったりします。
「早く解決して!」ってことが「イェイ、リッチだぜい」だったり。

それってどういうこと? ナゼ?
って思った方、あるいは、
ここでは一部しか紹介しなかった、この手の練習の全網羅を観たい方は↓

『明解!ツーファイブで使える音階 ~ブルーズの謎を解く~』
 http://bit.ly/KT_blues_251

「さっきの音階からたった1音変えると、違う響きになるの、面白いっ!」
 って思ってくれた人には↓もオススメ

『音階運指スキルアップ超特急』
 http://bit.ly/KT_choutokkyu

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