アルペジオ、上手くなりたい、どうすっぺか…

木管いつまでも初心者四苦八苦な筆者です。
作編曲の勉強するとフルート・クラリネットなどはアルペジオ得意ってどの本も書いてる。
ウソだ。
実際はじめてみると超難しい。

ずっと吹いてきたサックスでは当たり前で簡単なことが全然できない。
なぜだろう?

最後に発明されたサックスは運指が超簡単。
運指操作がイイカゲンでも、とりあえず鳴ってしまう。
その点クラフルは一音々々の鳴らし方&運指が適確でないと鳴りさえしない。
サックスから始めた筆者は長い間甘やかされてきたんだな。

曲を書く者が「得意」と思ってるかぎり「吹けますよ」と言うにはアルペジオくらいツルツルとできるのが最低条件、か。

そこで考えた。
どうしたら上達するの?
練習しろ! なんだろだけど、、
 ナニを目指して
 ドンナ問題を
 イカニ解決を目指すか
を考えて効率的プロセスを考えました。

まずは、
鮮やかなアルペジオに必要な条件を要素ごとに切り出して、
具体的な練習パターン紹介への序章とします。

なにが必要か…

・まずは発音できること。出せない音は使えない。
・明瞭かつ瞬時で失敗のない音高遷移操作
・音高(ピッチ)操作の適格性
・鳴りムラを平滑にする操作の習慣化

…ってことなのかな、、

とにかく音を出す_発音〜消音

思ったタイミングで、
 思った「音色・ピッチ・音圧」で、
  思った発音の形で、
   思った「音色・ピッチ・音圧」の推移で、
    思った消音の形を、
…そこまでを自在に操作できたい。
明瞭な発音のためにはタンギング以前に、
呼気圧とアンブシュアのバランスのみで、
息を入れた途端に発音できる必要があります。

それができて初めて、
より素早く明瞭な立ち上がりを作ったり、
様々な発音の表情を形づくるためのタンギング操作が意味を持ちますから。

 楽器を構える
 息を吸う
 アンブシュアを準備する
 息を出す
と共に、呼気圧とのバランスでアンブシュアも瞬時に調整する

それだけのことなのですが、実に難しい。

低音域と高音域、その両端について

フルートは、最も低い幾つかの音は鳴らしにくい。
最も高い辺りも鳴らすこと自体が難しい。
いずれもアンブシュア操作と呼気圧のバランスを身に付けるうちに鳴らせるようになります。

けれど、
その実現に不可欠な
 ・口輪筋と顎の操作に関わる筋肉の強さと持久力
 ・それらの操作法とその精妙性
の獲得には必ず時間がかかります。

すでに上手な人はよく
「力を抜け」
と言いますが、初心者には無理です。

無駄な力は「有る」から抜けるんです。
無いものは抜けませんからね。

なので、筋力の足りなさが原因なウマクデキナイ、については
「慌てない」
のが佳いのでしょう。

むしろ、筋力と精妙性を効率よく身に付ける方法を工夫するのが建設的です。

クラだと低い音は鳴らしやすい。
とても高い音は、鳴らせても良好な音質とするのは難しい。
堅く鋭くなりがち。
リードの弾力が足りないと息苦しく響かない狭い音になりがち。

全音域にわたって「鳴らす」だけなら簡単だが、
音色・響きのバラツキがとても大きいのがクラ。
それを平滑化できるような操作の習慣づけが要るようです。

一音ずつ適切なアンブシュアは違うが、最小限の動きで済む「領域」は見つけたいもの。

その最小限の中で、より適確な操作(顎の位置、舌の位置と形、呼気圧とのバランス…)を身に付けられるような練習が望まれますね。

音量とピッチ(など)の関係

フルートは、アパチュアのサイズと形を一定にする限り、
呼気量を減らすと音高は下がり、増やすと上がります。

第2次倍音より上だとディクレシェントして終わろうとすると基音に落ちがち。
発音時も呼気圧が適切でないと基音から鳴り始めたり、より上の倍音が鳴ってしまったりする。

アパチュアのサイズなどアンブシュア諸々と呼気圧のバランスを、音高と音圧の組合せごとに丁度よい具合を覚える練習が要るようです。

クラは、リードへの顎からの圧力「の気持」が一定な限り、
呼気量を減らすと音高は上がり、増やすと下がりがち。
呼気量を増減させようという気持と実際の呼気圧が、顎の上下に影響するようです。

口腔内の軟組織つまり舌も呼気圧の影響を受けます。
舌の位置と形状に無意識で居ると、呼気圧が上がれば舌は押し下げられるでしょう。
それも音高と選ばれる倍音に影響するようです。
「選ばれる倍音」それが適切でないとリードミスを起こす原因の1つになります。

リード楽器は呼気圧を下げるならリードへの顎からの圧力を下げ、
呼気圧を上げるなら圧力を上げる「ような気持」にする、
のが丁度よさを見つけるヒントとなるでしょう。

「舌の上下位置と形状」については、わざと大袈裟に動かして、音への影響を観察するとヒントが見つかると思います。

運指とアンブシュア(音高操作)の関係

違った高さの音に移り変わるのをスムーズにしたいですよね。
気遣いとして先ず思いつくのは運指でしょう。

半音、全音、短3度、長3度、、、
あらゆる音程での運指作業を、どの位置でも平等に素速く精確なものにしたい。
「精確」とは、2音間に余計な雑音を挟まぬよう、1音目のお尻と2音目の頭に不明瞭な響きの起きないような、といった意味です。

それを得るには音階とアルペジオの練習が一番です。
いずれも上記のような目的を見据え続けるのが大切です。
問題点を洗い出し、そこに練習時間を多くかけるのがよいでしょう。

実際にどんな音階・アルペジオの練習パターンが効果的か、は近いうちに紹介しますね。
更にテンポアップを目指す場合、効率良く近づく方法は↓を御参照ください。
 『爆奏!速弾き速吹き名人』 http://bit.ly/KT_hayabiki-hayabuki

さて運指が素晴らしくなったとしても、それだけで素晴らしい演奏とはなりません。
木管楽器は宿命的に音痴だからです。

一音ごとに音高を作る操作をしないとまともな音高は得られません。
鍵盤楽器のように調律に音高を任せられません。
その替わり、鍵盤楽器よりも音楽的により適切な音高を作る可能性があります。

運指の練習に併せてアンブシュア操作の練習も必要となります。
ある高さの音を出すには、どんな操作が必要か…
それを1音ごと身体に染みこませるような練習です。

その入口として大切なのは「倍音の練習」で、その結果を運指と合体させると1音毎の精妙な操作となります。
実際にどんな練習がオススメなのか、については稿を改めます。

あ、↓は参考になるはずです
 『ギジレジで倍音簡単!』 http://bit.ly/KT_gijireji

鳴りムラを乗りこなす

鳴らしにくい音、鳴り過ぎる音ってありますよね。

フルートなら、
・一番低い幾つかの音とそのすぐ上の F# そして真ん中の C# は響きが貧弱になりやすい。
・第3オクターブの E, F#, G# は当たりにくい。
・真ん中の Eb は発音の瞬間に雑音が入りやすい。
 _すぐ下の倍音が発音時に鳴りやすい。伸ばしてる間も音色に影響を与えやすい_
・第2オクターブの下半身は意外と当たりにくい。
・上達段階によっては、第2オクターブ上端の B~C# への下からの跳躍で音色を壊しやすい。
・鳴りすぎる、、のは自覚しにくいが筆者の現在だと第2オクターブの A が思いのほか力強くなりやすい。第3オクターブは響きの強弱が凸凹になりやすい。

クラだとそんな凸凹はフルートよりも甚だしく現象します。
ですが、一般的な話として纏めにくい。
というのも、楽器・マウスピース・リードなどにより症状は様々に変化するからです。
とはいえその凸凹は判りやすいので、それぞれに音圧操作の必要を自覚して、抑えたり押し出したりする操作をクセにするような練習(の意識)が要るのでしょう。

というわけで…

アルペジオの精確化・高速化への条件設定はこんな感じでしょうか。
効率よく解決する為の練習パターンを筆者なりにまとめてます。
実際に毎日実践してブラッシュアップしてるとこです。
近いうちに具体例を紹介しますね。
連載の続きを乞うご期待♪

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