水没管楽器の応急処置

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大きな台風でした。
被害に遭われた皆さま、慎んでお見舞いを申し上げます。
避難が引き続く方々は、どうかメゲずに、、
できるお手伝いを見つけたら行動しますので、今は御無事を祈るばかりなのを御容赦ください。

天変地異で楽器が水没することってありますよね。
発見した時に茫然自失するものですね。
ケースに入っていても大抵は泥砂にまみれるわけで。

とはいえ愛着のある楽器です。
できるだけ復活を目指したいですよね。

たまたま Facebook でそういう話をコメントに書いたので
こちらにもメモ書きとして転記しておきます。
管楽器限定の記事にてすみません(^_^;

すぐにリペアさんに駆け込めればベストでしょう。
けれど
リペアさんも営業不能状態かもしれないし、
営業してるならかえって沢山の人で溢れてるかもしれない。
なので
持ち込む前に自分でデキルコトはしておくとよいでしょうね。

以下、すでに
 ・ヒタヒタ水没、
 ・砂泥汚れアリ
を前提に書きますね。

(プレイヤー目線でのザックリしたメモ書きです。
 訂正や書き足しの御提案を頂ければ有り難いです。
 頂いたお知恵次第で随時更新させていただきます。
 よろしくお願いしますm(_ _)m )

☆追記_20200718
第1段階で「きれいな水が潤沢に確保できるなら」という条件が必要な処置が多いです。
それが叶わぬ場合は、できるかぎり水気と汚れを拭きとる。
ピストンなど「密」な所は無理に動かさない。
そうしてから、水の確保あるいはリペアの再開まで静かに置いておく。
それが最善かもしれません。

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金管楽器が泥水に水没したら…

・ピストン、ロータリー、スライドを動かさずに
・バラす前にざっと水洗い、中にも水を通して
・バラして各部品を丁寧に水洗い
・よく拭き取る
・油をさして組み上げ
・リペアさんに急行っ!

金管の場合、意外と盲点なのは、
・フェルトなど乾きにくい部材も結構ある
・とても狭い隙間で、乾きにくい箇所も結構ある

ですので、そういった箇所の乾燥と、必要に応じてのオイリングは、楽器寿命に関わるでしょう。
リペアさんに行くまで時間が経ってしまう場合は、その点気を付けるとよいでしょうね。

木管楽器でも同じく、
極狭いスキマ、乾きにくい部材
には気を付けねば、です。

木製管体の木管楽器が水没したら…

クラリネット、オーボエ、ファゴット、ピッコロ
木製管体で「諦めきれない」ものは、

・全体を慌てずゆっくり水洗い、キーをゴシゴシしないように
・、、、途方に暮れてから
・布で優しく掴むように水気をできるだけ取ったら
・リペアさんのもとへ、なるたけ早めに

勇気があれば、水洗い後に
 ・外せる部品は全て外し(なくさないように)
 ・1つ1つを丁寧に洗い
 ・丁寧に水気を拭き取り
 ・呆然としてから(自分では組み立てられない、ぞと)
 ・リペアさんのもとへ、できるだけ早く、必ず!

特にやってはイケナイこと。
「急いで乾かそうとしてドライヤーの温風をあてる」
管体はけっこう厚いですよね。
管体外側と内側、あるいは
表面と内部
とで乾き具合が違うと、つまり、膨張具合が変わると、、、
パキンっ、、と割れる可能性が高いです。

修理学校での恐い話。
冷房機のすぐ近くでキンキンに冷やしたクラリネットをバケツのお湯に突っ込む実験、って話を聞きゾっとしてお腹が痛くなりました。

はい、乾燥はユックリしましょうってことです (^_^;

「入念な乾燥・キーのオイリング・組み上げ」
はプロに任せるが吉かと。
全タンポ交換になるか、乾燥と調整でイケちゃうかはリペアさん次第。

ん〜、、
実際にはタンポ全交換にはほぼ必ずなるでしょう。
 ・音孔を閉じる「ワダチ」の形を保ったまま乾かす
のと、
 ・管体の乾燥を進める
のは両立しないからです。
金属管体のサックスなら、その荒技も成立しますが、、

、、というか、、

その後長く快適に使い続けようとするなら、
 ・全バラシ
 ・全磨き
 ・全タンポ交換
 ・全難物(コルク・フェルト etc)交換
 ・可動部のオイリング
 ・組立〜バランス調整
…つまりオーバーホールは必須かと。
 
長く使い続けてた楽器ならば、この機会に
「裸の木製管体をオイル風呂に漬け込んで新品のように」
してもらう。
という超オーバーホールをしてもらうのもよいかもしれません。
 
ですが、
ドップリと長時間ヒタヒタになってしまった場合は、、、
乾燥に伴う変形も大きいでしょうから、
買い換えを奨められるケースが殆どでしょう。
 
木製の管楽器は所詮そういう運命(人間よりは寿命が短い)と思っておくのが、精神衛生上は佳いのかもしれませんね。

サックスが泥水に水没したら…

意外と丈夫です。
ザバンっ!
自分と一緒にヌルイ風呂に入る。
お湯が熱いと古い楽器はノンラッカーになります(体験済 with 涙)。

☆追記注釈☆
「お風呂に一緒にザブン」という自分の体験は嘘でも冗談でもありませんが、災害水没キッカケではありませんでした。

災害水没の場合は、屋外の様々な汚れ・下水の汚れなどなどが付着してるので「イキナリ一緒にザブン」は健康衛生上、危険ですね。
なので、
「まずはシャワーで汚れを流してから湯船にザブン」
がベターですね。
人間も湯船に入る前には「掛け流し」がマナーですものね♪
 
それでも楽器内部や細かい所の汚れは、ザブン以降に落ちるものなので、
「自分は入らず、楽器だけザブン」
が正解なのでしょう。
 
災害の結果、水道が止まってたり制限されてたりだと、お風呂ザブンは無理ですね。
それでもイチ早く楽器を洗浄したい場合は、備蓄飲用水をチビチビ使うのでしょうが、、
命と健康の保全を第一に考えてから、が佳いのでしょう。

☆追記ここまで☆

それから、
シャワーで丁寧に細かいところのゴミも流す。
軽く水気を拭き取ったら全てのトーンホールを閉じた状態に固定。
音孔とタンポの間に塵ゴミが挟まらないよう気を付けつつ。
ドライヤーの冷風で細かい箇所の水気を飛ばす。
キーにオイリングして、翌朝まで「閉じた状態」のままにしておく。

乾燥後、パッドは脂が抜け過ぎて、気密性は下がるし破れやすくもなるはず。
なので、こういったもの↓を塗っておくのがよいでしょう。

↑は「ベタ付き解消」が主目的。
どちらかと言えば↓の方が密着性と耐久性をウリにしてるからベターかも?

サラダ油(植物性油脂)やワセリンでも佳さそうです、、が、それは専門家の見解をお聞きしたいところです。

あ、革ジャンとかに塗る「皮クリーム」は悪くないはず!
サックスのタンポは羊皮ですから。
コレ↓は基材がラノリン=羊の脂肪由来の成分なので楽器のタンポとの親和性は高いかと。

コレ↓は基材が鑞(ロウソクのロウ)とシリコンなので撥水性は高そう。

ちなみに、クラリネットでも皮パッドなら同様。
普通のクラとフルートは、フェルト+フィッシュスキン_実際は豚の腸_。傷みやすいものだから無理せず交換!
ゴアテックススキンだと乾かせばイケちゃいそうだけど、中身のフェルトの変形次第でやはり交換!ですかね。

さてと、話を戻しますね。
まぁ、乱暴な方法ですが、あくまでも「すでに泥水ヒタヒタ」な状態からのってことで、、
イチカバチカでタンポ交換無しでイケる「かもしれない」方法です。
が、
あくまでも応急処置で、近いうちに全分解して油を差し直さないと全体の寿命は縮みます。
 
いずれにせよ、なるたけ早くリペアさんに持って行きましょう。

樹脂管・金属管の木管楽器が水没したら…

フルート、樹脂管クラオーボエ、金属管ピッコロなど。
すでに泥水ヒタヒタならタンポ全交換は覚悟しましょう。
それ前提で、お風呂に一緒にザブンっ!
  ☆☆ 追記:やはり「楽器だけザブン」が安全ですね ☆☆
それ以降はサックスと同様に、かと。
 
「いっしょに」ってのがキモかと。
その後の付き合い方がそれで変わる気がしてます。
  ☆☆ 追記:↑と最初は書きましたが、清潔を確保してからの話ですね ☆☆

水没したケースは…

ケースは、よほど「替えが見つからない珍品」でない限り、新品に替えるのが賢明ですね。
諦めきれない場合は、
 ・丸洗いして乾かせるソフトケースなら丸洗い〜乾燥
 ・それ以外は、クッション部分を剥がして丸洗いし、乾かし、また洗い、乾かし、また洗い、、、

で、カビ対策も施してから復活、でしょうか。

海水(塩水)だと何度洗ってもずっと「潮ふき」が続くので、回数を繰りかえす根性が要ります。
と書いて、、今気付いたこと。
もしかして、
塩化物を中和できる(水 H2O に変換できる)水溶液で洗えば、潮は落ちやすいかもしれませんね。
 
今回の台風水害だと海水ではありませんが、泥や砂も酸orアルカリが強い場合があり、その残留を放置すれば楽器とケースの寿命は縮むでしょう。
その場合も、単に水道水で洗うだけでなく、その土地の泥砂のpH(ペーハー=酸性orアルカリ性度合い)を中和できる水溶液を使うと早いかもしれません。
 
金魚水槽用に、水道水の塩素を中和する薬とか、使える場合もあるかもしれませんね。

あくまでも応急処置の話です

日頃の手入れの話ではありません。
泥水ヒタヒタになった時の、
「もしかしたら気休めにしかならないかも」
な応急処置の話です。

とはいえ、するとしないとでは予後も変わります。
泥砂で木部・金属部の酸化は進むので、早めに洗い流すのは意味があるはずです。
 
なのですが、、
木管楽器はイチカバチカ。
吹き心地などは必ず変わるでしょう。
もしかしたら良くなるかもしれない。

なにもしないよりは、なにかしてみて
やっぱりダメだった
ってほうが諦めもつくわけで。

最終的に、
復活とその後の長期的存続のためには、
できるだけ早くリペアさんに診てもらうのが一番です。

1本でも多くの復活をお祈り申し上げます。

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