アドリブ…本当の入口って?_その2_最も簡単なアルペジオと経過音

前回は、とにかく音階と仲良くしようってことで、
 ・先ずは主音から始めて
 ・とにかく順次進行で
 ・主音以外からのスタートもボチボチ
って体験を長調・短調で重ねました。

iRealPro など使ってコード進行の伴奏と一緒にやるのがキモです。
ハーモニーの響きと旋律の関わり合いを体験しないと、
音楽として使える技術にはなりにくいんで。

今回は、ハーモニーにもっと寄り添った形の練習を組んでみました。
やはり「誰でも出来る(^^)v」がネライなので順次進行に拘ります。

こういう練習をしてみると、和音の伴わない単旋律からでもハーモニーを感じられるようになります。
つまり、ただの音階と思ってたものも、和音の背景が常にあるのを感じられるようになるってこと。

なんですけど、、本題に入る前に…

前回の短調の練習、改良版

前回譜例の短調の奴、実際にやってみたら
「あ!偶数小節でメロディックマイナーの体験って全然できてないや」
と気づきました。
ので、そこに拘って追記をしました。

今度は階名も書きました、2段で。
 ・上段は、機能和声的(コーダル)な移動ドでの階名。
 ・下段は、旋法的(モーダル)な移動ド階名。
階名に慣れてない方は無理せずスルーしてよいです。
移動ドに慣れてる人なら御活用いただけるかと。

あ、12音式(クロマチックな)階名唱法については↓を御参照ください。

最も簡単なアルペジオと経過音、非和声音の緊張と和声音での解放

はい、本題です! 今回も
「誰でもできる(^^)v」
を目指して作ります。
(もちろん前回の練習を前提に)

アルペジオ、日本語だと分散和音。
コードの構成音のみを並べた旋律。
鍵盤楽器など和音をジャ~ン!と鳴らせる楽器でなく、一度に1音しか出せない楽器でも、そんな旋律で和音っぽい響きを表現できます。
例えば…

こんなのも分散和音での旋律です↓

旋律って、
 ・リズム
 (テンポとグルーヴの上での旋律音の発音と消音の位置)

 ・音高遷移
 (音の高さの移り変わり)
で出来てます。

アルペジオは音高遷移の基本2つのうちの1つ。
 ・順次進行での音階的な動き
 ・跳躍進行での分散和音的な動き

旋律とは、
それら旋律の核に飾り付け(修飾)を施して、
より旋律らしく仕立てたものです。

ここでもツーファイブワンのコード(和声)進行の上で練習します。
各コードの「1と3の音」のみを使います。

その2音の音程は長3度か短3度。
2音のスキマに音階内音を埋めて繋げます。
その音はコード構成音ではないので非和声音と呼ばれます。

筆者は、より詳しく「音階内非和声音」と呼ぶことあり、というか、
むしろそうとこそ呼びたい。(つまり音階外非和声音もあるわけです)。

こんな風に出現する非和声音は「経過音 Passing tone」と呼ばれます。

非和声音は和声に対して不協和を生み、
それは人に緊張(tension)を感じさせます。

1つのコードの間で、非和声音が和声音(コードを構成する音)に後続されたとき、
 緊張 → 解放(tension → release)
という気持を引き起こします。

その出来事を音楽理論の言葉では
不協和から協和への「解決(resolve, resolution)」と呼びます。
 ※参考 https://kanji.reader.bz/pronunciations/resolution,resolve

その作用は、単にコードの構成音を並べたアルペジオを、
旋律らしく修飾するのに使われます。

その方法は幾つかのタイプに分けられますが、その1つが経過音です。
経過音で緊張して、直後の和声音でその緊張が解決されるってこと。

後続する和声音は、直前の非和声音にとっての「ターゲット・ノート」と扱われます。
その非和声音は、ターゲットに向かうための「アプローチノート・ノート」です。

こんな↓コード伴奏の上でこの旋律を鳴らしてみましょう。
ただの音階なのにコードへの強いフィットと、非和声音の作用による旋律らしさが感じられるでしょう。
あ、五線からはみ出し過ぎないようにオクターブを適当に折り返してます。
自分の楽器の都合で適宜どうぞ。

タイムシフトしてみる

そのメロディのタイムシフトを味わいましょう

トーンシフトしてみる

ピッチシフトは、ピッチ(基準音高、ヘルツ単位で)をズラすこと。
トーンシフトは音階の中での上下位置をズラすこと。

ピッチシフトは、ピッチをズラすこと。
トーンシフトは音階の中での上下位置をズラすこと。

今回は C の長 or 短調の構成音の「中で」上下させます。
その動かし方を「ダイアトニカルにシフト」などと呼びます。

全ての音程(半音階的に)を保ったままゾロっと移動させるのもあるわけで、それは
「クロマチカルにシフト」などと呼びます。
「アウト」を明瞭に行う時など便利な発想です。

「アヴォイドノートとはなんぞや?」
って話を今までちゃんと書いてませんでした、、近いうちの課題にしとこう。
とりあえず、↑でね、挟み込みの形にしたとこで、
それ以前のシェイプ(音型)に戻して試してみてね、スッゲ微妙な気持になるから、、
それがアヴォイドノート=除外音ってか忌避音って呼ばれる理由。
科学的説明はできるんでオタノシミに〜♪

マイナーだと…

「音階3種の切替」については前回記事をご覧ください。
で、トーンシフトしてみると…

…てなわけで、、

こんな練習をしてみると、旋律が和声の想起を喚起できるのを感じられたと思います。
和声と旋律が相互に関わり合いながら全体の響きを作る、
それをコントロールしていく入口に立てた、のではないかしら?

次回はどうしよう?
非和声音/アプローチノートの練習を深めてく、かな、、
思いついたら書きます~♪

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