大抵の場合フレーズ中のタンギング直前で音高がずり上がる症状も併発するものです。
昔ある友人が標題の状態でした。
本人は無自覚だったから「症状」ではありません。
「どうしてそうなの?」
と訊いたら初めてその状態に気付いたようで、少し考えてから
「自分はロック系だからこれでいい」
って答えてくれました。
「そうだね、ならいいね」
って返事したけど、歴史上にそういうロック系サックス奏者はあまり耳にしません。
もしもそういう状態を症状として悩む人が居るなら、というメモ書きをします。
簡単に結論を言えば「噛みすぎ」の結果です。
ロングトーンをするとします。
その時点で、リードが極力自由に振動できる状態よりも「噛み」が強い状態で伸ばしてるケースが多い。
その症状の人は、タンギングをしようとして舌をリードに近づけると、顎が上がる=噛みが深まるのも大抵併発してます。
すると無音からの発音の際にも、上下の歯をかなり閉じた状態からスタートしようとします。
それでは当然、普通にポンとは発音できず、キュキュキュ~とリードミスになるか、鳴らない。
そこで自動的に身に付く習慣。
とにかく鳴らす為に舌をリードから離す瞬間にボカンと口を開ける。
たいていはそこで「開けすぎ」ます。
結果的に思いのほか低く鳴ります。
その直後に、上記ロングトーンをしてる時の噛み方に戻ります。
上2行の間にバウと音高変化が起こる、つまりシャクリ上がるわけ。
フレーズ中の「区切りのタンギング」でも、舌をリードに近づけると顎が上がるから音高も上がるし、音色も潰れる。
で、リードの振動を止めたはいいが、離す時にそのままでは音にならないからボカンと口を開ける。
すると発音時と同じ出来事が起こる。
顎を動かす筋肉はリードを締め付ける為ではなく、
「丁度よく開け続ける為」
に
「使い続ける」
のが佳きかと。
リードの振動を止める為のタンギング
は、口を丁度よく開けたまま、舌をリード先端に触れればよい。
そうすれば音のお尻で要らぬ音高変化は起きません。
止まりきってからリラックスすればよい。
そこでリラックスせず、
・丁度よい口の開き
・アンブシュア形成に丁度よい口輪筋の緊張
・呼気を作る為の呼吸筋の緊張
この3つを「そのまま」にしておいて、舌を離せば、舌を付けた直前と同じクオリティの音がポンと始まる。
それが巧く出来れば、
・スタカート
・マルカート
が上手にできるわけ。
で、その無音状態の最中の状態を、発音時に再現できるなら、
「発音のためのタンギング」
も、シャクリ上げを伴わず、狙った音高がポンと出ることになります。
ちなみに、フレーズのお尻を「消え入るように」処理したいなら、
それはすなわちデクレシェンドで、タンギングの仕事ではありません。
デクレシェンド・クレシェンドといった「音圧操作」の練習をすれば上手にできるようになります。
その際のキモは、音圧操作が
・音高
・音色や響き
に極力影響を与えないようにすること、です。
そういった、タンギングの原則とアンブシュアとの関わりについては↓にも詳しく書いたので御参照ください。
「タンギングは3種類」
https://saxbaritake.com/tanging-3types/
「タンギングのスピードアップはトゥトゥトゥだと…」
https://saxbaritake.com/tanguing-speed-merengue/
☆関係あるようで無いのか、、、↓のね、、
口輪筋を鍛えてフェイスラインを引き締め小顔にってグッズ、色々とあるのね。ネーミング最高!
ん〜、、楽器ずっと練習してればいいんじゃないかな。
ただし噛み締めずにね。噛み締めたら口輪筋は使われないからさ♪
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