先日「持替え楽器」つまり全く別の楽器にトライする効用を書きました。
今回は同じ楽器だけど別メーカーや別機種、
特に個性の全く違うのに触った体験からのメモ書き。
気の持ちよう次第で楽器も自分も、より活かせるようになるかもよって話。
スランプ脱出のキッカケにもなるかな。
先日の…は↓コチラ
身体と気持の柔軟性を信ずること
よく耳にすること。
「マウスピース取っ替え引っ替えしてたらアンブシュアが崩れちゃう」
この世界に唯一無二の「正しい」アンブシュアってありますか?
貴方の身体は金属製ではありません。
日々の体調も変わるもの。
その時々で出したい音色も変わるもの。
音域ごとにアンブシュア・呼気圧のバランス操作も変わるもの。
たぶん「ここからここまで」という丁度よさげな「領域」として、
我々のアンブシュアは捉えられるものでしょう。
道具が変わればその領域も変化します。
楽器ごとに違った領域を体験できるものです。
1つの楽器では体験できなかった領域、つまり身体の操作に触れられます。
「気の持ちよう」で「それで混乱する」と思わずに、
「活かしてみよう」とトライすると、
いつもの楽器に戻った時に、それまでは体験できなかった操作法を発見して、より容易になったり、表現を拡げたり、が有り得るみたいです。
全く違う個性の楽器に触れる
筆者はいつも、とても鳴らしやすいフルートを使ってます。
もちろん、慣れもあるわけですが、
他人に吹かせると大抵「鳴らしやすいね~」と言ってくれるので、そういうことなのでしょう。
歌口にて「鳴るツボ」が広いのでしょう。
疲れても、すこしイイカゲンな吹き方をしても、そこそこ鳴ってくれます。
だから退屈な練習もメゲずに取り組ませてくれます。
甘やかしてくれる楽器です(^_^;
70年代半ばのヘインズ、ヘビー管体。
音程バランスは難しいけど録音すると、まぁ迫力ある音を出してくれます。
サブ楽器は90年代初頭のヤマハ411、可愛らしい音だけど、音程のシビアな録音などでは助けてくれます。
どちらも指に穴の開いてないタイプ。
さて本日、借り物で全く違う個性と感じられる楽器にジットリ触れました。
サンキョウのエチュード。
頭部管だけ銀、指に穴開いてるもの。
オタッキーなことに、トーンホールはストレートに並んでて、Eメカも無し。
(サンキョウは「メカ」じゃなくてドーナツ型トーンホールですけどね。アレならインラインの楽器にも組み込めるはずですが無しってことです。インラインを選ぶ段階でそうなんでしょけどね。)
違いにビックリ
最初の十数秒。
うん、よく鳴る、サンキョウらしく華やかで軽やか、、
しばらく吹いてると、おっ、難しいぞ、、
第一印象と違い、なんか難しい。
指穴を閉じるのにはすぐ慣れたが、音高遷移をしてるといつもの調子ではスムーズに「鳴り」が繋がらない。
とにかく鳴らし続けるために、少しずつ消極的な吹き方に、、
で、段々ショボい感じに。
鳴らし方を探す
どうやら、うまく鳴らすための「歌口への息の持ってき方」の領域が狭いみたい。
よく言われるツボガセマイって奴ね。
あるいは、
いつも慣れてる領域とは違うナニカシラの方が多い、つまり未知の操作が必要で、結果的に「狭い」と感じてるのかも。
慎重に各音でピアニシモで発音を繰りかえす。
効率良く鳴るポイントを探すわけ。
その果てに、全音域で総じて問題ないようなアンブシュアの領域が見つかった、ような気がする。
いつもの楽器よりもだいぶ狭いアパチュア(呼気の出口のサイズと形状、つまり唇のね)になってるみたい。
うん、いわゆるフルートっぽいチャーミングな音だ。
でも、もうちょっと音圧あげたいかも。
いつもの楽器に活かしてみる
1時間くらい四苦八苦してると新たな楽器に身体が慣れるもんだ。
試しに、いつもの楽器に持ち替えてみる。
うわっ!
なんだ、この密度の濃い音は ?!
いつもの吹き方と行ったり来たりしてみる。
こんな音色変化の幅は初めてかも。
で、更に試してみる。
新たなアパチュアの感じを保ったまま、グ~っと呼気圧を上げてみる。
ん~、言葉では表しにくいが、
チャーミングさを保ったまま楽器の力強さの範疇いっぱいに存在感を高めてくれるような感触。
簡単に言うと、
今までなかったような吹き方と結果の音を体験したってこと。
その感触を新たな楽器にて…
サンキョウに戻して、さっきの感触を再現すべくトライ。
つまり、まるでゴツい楽器のように息を突っ込んでみる。
意外とイケるかも、
ん、
途中からアパチュアを少し開いてみる、
おっ、
明るさ軽やかさを保ったまま、ショボい感じじゃ無くなってきた、
そっか、
こんな鳴らし方もあっていいのね~♪
違った体験を活かしてみよう
別の環境で新たな体験をしたら、
いつもの環境にも活かせないか試してみると、
新しい世界が開ける、かもよ。
正しい、と思い込んだたった1つの方法に拘らず、
新たな方法や結果に出会うコツの1つかもね。
1つの環境で違った方法にトライするより、
環境からガラっと変えた方が、
いつもと違う身体の動きや感覚を感じやすいから。
コロナな御時世ゆえ、気を付けつつではありますが、
お友達の楽器なぞで試してみると面白いかもですよ。
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