色んなペンタトニック音階 Various pentatonic scales

ペンタトニックスケールはメイジャーペンタとマイナーペンタ(いわゆる)だけじゃない。
ヴァリエイションが沢山あり、それぞれ愛すべき響きの個性を持ってます。
その音列を鳴らしてみるだけで、ある種のニオイとか色彩感を感じとれるってこと。
それらをゾロリ並べて御紹介。
アドリブや作編曲、楽器の練習に活かしてみませんか?
_20250714 武田和大

今日のは初心者向きな書き方でなくてすみません。
ヤヤコシイ用語など解りやすくなる(かも)なリンクを文末にまとめときます。

色んなペンタトニックを並べてみるぞ

ここに挙げるどれもが「一般的な7or6or8音音階」に内在されてるので、一般的な和声・旋律の捉え方の中で活用しやすいものです。
「内在されてる」とは、素となる7(6,8)音音階の構成音から抽出した5音ってことです。

7音音階と比べると、旋律自体の持つ調性感と色彩感がより強く、時に、併存する和声とは異質のニオイを醸すほどの独立性が特徴です。

「素の7音音階はナニかな?」ってパズルを解くのは良いアタマの体操にもなります。

ここでの紹介は「1,2,3,5,6」いわゆる「四七抜き」型に留めます。
Jazz の理論書では「1,2,3,5,7」も登場しがちですが、筆者は
「それってアルペジオじゃん(ま四七抜きもそうっちゃそうだが、どっちかといえばね)」
と思ってるのでここでは割愛します。

転回形のそれぞれにも基本形と違う個性が認められるものも多い。
ですが煩雑になりすぎるのでここでは深入りしません。
C音を基音として 1,2,3,5,6 の基本形のみで例示します。

ちなみに俗に「マイナーペンタ」と呼ばれるものはメイジャーペンタの第5モード(=第4転回形)です。
単に転回形でしかないのに、マイナーを代表するような名前が与えられてるのを筆者は妙に感じてます。
それ以外にマイナーペンタと呼ぶべき 12356 のペンタが幾つもあるのに本稿で触れてみてください。

なのですが、俗称マイナーペンタには、メイジャーペンタ以上の安定性と、歴史的存在感の大きさはあります。なので相応しい名前を冠してあげたい気持ではあります。
その点詳しくは稿を改めますね。

さて、
古典的な名前の著名なものにはその名をメモ書きしますが、転回形がソレである場合も多いです。が、細かいことは気にしない(^_^;

とにかく在りうる可能性(一般的な6〜8音音階に含まれる5音という限り)を並べました。
その1つ1つがどれだけ価値あるものか否か、は使う人がそれぞれに判断すればよいものです。
これこそ正しい!って唯一の答なぞ在りません。

ここでは列挙のみをします。
その導き出された経緯、如何に捉え如何に使うか、などに興味ある人が多いようなら、ちゃんと書いて出版しようか、、、
書き出してはあるんだけどやっぱり面倒くさいかな〜…、
などと思ってます(^_^;

1-5 が 減5度な一族

1と5が完全5度を成すものと比べれば旋律自体の調性安定感(=その旋律が醸し出す「この旋律にとっての主音はコレ」という主張 ≈ 和声からの独立力)は弱い。
ですが、それぞれに個性は明瞭で、弱さなりの活かし方もあるはず。

なお副次的に、2と6、2と5、3と6 が完全音程か否か、も存立性というか独立性というか「そこにクッキリと居るぞ!」という主張の強さに影響するようです。

中には「いかにもアルペジオ」とか「いかにも音階中の連続した5音」とか
「12356 ってか 12346 じゃん?」と聞こえるのも登場しますが、取りあえず気にせず並べてから注釈を付けます。ただし ♯6 は♭7 に聞こえるので除外します。

譜例の上に「こう呼んでいいんじゃん?」と筆者が思う名前を、
下には古典的によく知られた名前をメモします(特に有名なもののみ)。

隠された4と7につく臨時記号次第で「素の7音音階」には幾つかの可能性があります。
その中で最もシンプルに想起できそうなモード名を借りて名付けてみました。

尚「素の7音音階」とは
「その7音から5音を抽出したよ」ってことで、
それは長調・短調だけでなく、
 ・メロディックメイジャー(旋律的長音階=いわゆる長調)
 ・メロディックマイナー(旋律的短音階)
 ・ハーモニックマイナー(和声的短音階)
 ・ハーモニックメイジャー(和声的長音階)
 ・ダブルハーモニック(その第4モードはハンガリアンマイナー)
と、それらに内在する諸モードとします。
(と書いた後に実際書き出してみると6音音階・8音音階を源泉とするものも出てきました。詳しくはその時に)

Locrian Penta, Locrian Natural 6 Penta, Locrian Natural 2 Penta, Locrian Natural 2&6 Penta

以下は5が♭5だが 3が♮3の場合 ♭5は♯4と聞こえるので、
見た目は 12356 のペンタでも、そうは聞こえないという例。

1-5 が 完全5度、 2 が♭2、 マイナー(=3が♭3)

Phrygian Penta, Phrygian Dorian Penta

1-5 が 完全5度、2 が♭2、メイジャー(=3が♮3)

♭2が暗さを呈しつつ♮3が明るい、不思議な奴ら。
素になる7音音階の想定可能性が多岐に亘るので特定のモード名を借用した名前はつけにくい。

Major b2 b6 Penta, Major b2 Penta

1-5 が 完全5度、2 が♮2、マイナー

Aeorian Penta 都節, 陰音階, Dorian Penta, 雲居調子

1-5 が 完全5度、2 が♮2、メイジャー

Major b6 Penta, Major Penta, 俗に言うところのマイナーペンタ

1-5 が 完全5度、2 が♯2、メイジャー

Major #5 b2 Penta, Major #2 Penta, symmetric Augmented scale

1-5 が 増5度な一族

Major #5 b2 Penta, Major #5 Penta, Major #5 #2 Penta

以下の例は5が♯5だが 3が♭3の場合 ♯5は♭6と聞こえるので、
見た目は 12356 のペンタでも、12 b3 b6 bb7 と聞こえる、、、

とはいえ、他のペンタにも、音階の一部の5音連続にも、なにかしら和音のアルペジオにも聞こえないので、ペンタとして扱ってよいのでしょう。

Phrygian Dorian #5 Penta, Dorian #5 Penta, Symmetric diminished scale

♯5を登場させると♯6を使いたくもなるが、
それは1からすると♭7と聞こえやすいし、
♯5=♭6の音から始まる音階の連続した5音ということに必ずなってしまうので除外します。

以上が「色んなペンタ」一覧の全てです。今んとこ。
演奏や作編曲、楽器練習に活かしてみましょう♪

用語理解のためのリンク…

今日の記事は用語を知ってる前提で書き始めててすみません。
↓に目を通していただくと少し解りやすくなる、かもしれません。

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