マイク比較 _ ノイマン AKG オーテク

高からず安からずなコンデンサーマイク4種を比べてみた。
クラリネット4重奏をペロっと書いて。
4本並べて正面に置き、1mほど、ちょいとオフマイク気味に同時録音。
1分間で、低音域〜高音域、クラのほぼ全音域に触れるようにした。

ん〜、、中低音域だと聴感上は違いが判りにくいな。
高音域になると少しずつ違う。
、、えっと、、てっぺん辺りの演奏下手っぴには目ぇつぶってくだされ m(_ _)m

波形からは凸凹に個性が見てとれる。
その辺りに注目して聴くと違いが少し判る、、かな?(^_^;

次回はフルートでやってみよう。
もっと高いとこに倍音いっぱい含んでるから違いが判りやすい、、んでないかな?

あ、オーディオインターフェイスは Focusrite の Scarlett(Air機能使わず)で、それ以前のマイクプリなど無し、録ったあとのエフェクトも無しです。

ざっくりと結論

_後日追記_ 20230523_ です。
これ最初に書いた時、なんも書かずに不親切だったんで(^_^;

・audio technica AT4040
満遍なく全てを録ってくれる。あとでイコライズを愉しむ甲斐のある録れ方。
逆に言えばちゃんと整頓しないと豊かな倍音成分(5khz以上の)が溢れかえっちゃうような。
とはいえ、そこんとこがトランジェント(発音の形と音色の即時決定性みたいな概念)の明瞭さを生んで「スピード感ある音」ってよく聞く評価に繋がってる、のかな。
 
「素直にソノママを」って評価をよく聞くけど、全てを録ってくれるからといって、それがキコエタソノママではないよな、って感じます。
で、「この4本中で比べるなら」ってことだけど、
↓の 103 は、スベテヲではないけど、より広い領域を拾いにいってくれてる感じ。
4040 は、拾える領域の全てを拾ってる感じ。
よく聞く「レンジの広さ」って言葉はそういうことを言うのかな? 103 の方が広く感じます。
なわけで、オーテクのもっとハイグレードなマイクに興味津々になってます、ます!
 
・Neumann TLM103
まさにノイマンらしい音で録れます。
スムーズでノーブルで居ながら、意外とガッツリとした中低域。
いわゆる標準な U87ai と比べるとグッと押し出してくる「腰」は少し欠ける「かも」な感じはするけど、高域の「ある領域」が「既に居る」って便利さはアドヴァンテージかも。
あ、
ちょうどそんなことを詳しく書いた宣伝記事発見、
最近何件か似た傾向のを見かけるんでメーカーの意図が先ずある、のかな?
https://www.soundhouse.co.jp/contents/column/index?post=2722
 
トランスレスだから低ノイズ…うん、そうなのでしょう。
それはどの記事でもみかけるけど、意外と触れずにスルーされるのが、
「単一指向性オンリー」ってこと。
でも、エライのは、かなりオフにセットしてもちゃんとイイ感じに拾ってくれるとこ。
部屋の残響に拘らない(そこに拘ると双方向性が欲しくなる)宅録向けならベストチョイスと言える1本かと。
 
・AKG C214
いわゆる AKGサウンド。シャリキラな成分が佳き、とはいえ意外と纏まった穏やかな録れ方。
414系と比べると、割と近めにセッティングしてちゃんと狙わないと、腰の抜けた残念な録れ方になるみたい。
414系の双方向ダイアフラムは、単一指向性に設定しててもソコハカトナク周囲を拾って、独特の腰の強さに繋がってるのでは?と推測。それの無い分が 214(ダイアフラム1枚、単一指向性オンリー)のセッティングの難しさになってるかも。
 
・AKG C480B
これもいかにも AKG っぽい。シャリキラがちゃんと居る。が、
似た姿の C451B(シンバル収音の定番、超高域をたっぷり録れる)とは随分違うキャラ。
中低域の存在感はシッカリで、意外と潤いとパワー感のある録れ方。
※ずいぶんと使い込まれた中古を入手したので、新品だと印象変わるかもしれませんが(^_^;
 
下〜のほうにもそれぞれ詳しく書きましたんで是非最後までどうぞ。

アンサンブル収録マイクとしての印象

これも後日追記。
クラリネットアンサンブルを録ってみた結果の印象をば。
一長一短、それぞれに得手不得手あり、場面ごとに使い分け適材適所を選べるとよいのでしょう。

クラのほぼ全音域・全音高を聴けるよう工夫しました。
音高ごとに音色の変化や、ピーク(ある高さの音だけ飛び出すような)を観察できます。

・Neumann TLM103
「あぁ、コレがクラの音だよね〜」って納得な音色を録れました。
特に際立つ妙なピークは無し。
高音域(クラにとっての)も細くならず姿も破綻せず。
とにかく姿を明瞭に捉えてくれるんで、下手っピなとこはバレやすい。
演奏下手による音圧・音色のバラツキ、音高の小さなユラギなど克明に残してくれるんで(^_^;
アンサンブルとしてのブレンド感としては、マイクが助けてくれる感じは無いので、演奏自体をしっかりしないとダメみたい(^_^;

・audio technica AT4040
アンサンブルのブレンド感はこれが1番でした。
充分な高次倍音が繋ぎ合わせてくれてる感じ。
とはいえ、個々の楽器音色の満足感は少し物足りないかも、イコライジングで化けるかもですが。
その点、ソロ収録にはノイマンを選ぶのがベターみたい。
ピークについては、、A5〜D6 あたりに幾つか、演奏の下手で音圧上がる音高があるんだけど、それらが丁度一致して飛び出すみたい、、上手じゃないとソロ録りするとバレやすそう(^_^;
ってことは、
バックグラウンドのハーモニーを支えるセクションを録るのに丁度良いのかも。
あ、クラに限った話ですけどね。

・AKG C480B
今回の4本中ではこれが最もバランスよいかも。
ノイマンほどではないがそこそこクラの音色してるし、アンサンブルの溶け具合も悪くない。
個々の音の姿、輪郭も悪くない。中低域の充実感も充分。
前述の2本が印象深いので「悪くない」ってなっちゃうけど、なにげなくシンバルに立てちゃう以上に使い途の広いマイクだと思います。

・AKG C214
もっとオンマイクで録ってあげれば印象変わるかも。
今回4本中で言えば、可も無く不可も無くな感じになっちゃいました。
比べれば、なんとも穏やかな印象。
とはいえ、妙なピークもなく一応クラの音に聞こえるので、バランスのよいマイクなのでしょう。
ん〜、、上手に活かしてあげる方法を見つけてあげなきゃって思います。
か、やっぱり414 に買い換えるが吉か、、(^_^;

ノイマン TLM103

実際の録音結果を聴いてみましょう。
(スマホだと映像表示窓の中のオレンジ文字を押さずに、その下の「ブラウザでそのまま…」みたいな黒枠文字列を押すほうが快適に観られるみたい)

Neumann TLM103 _ Microphone Comparison _ 4 clarinets by Kazuhiro Takeda

AKG C480B

AKG C480B _ Microphone Comparison _ 4 clarinets by Kazuhiro Takeda

AKG C214

AKG C214 _ Microphone Comparison _ 4 clarinets by Kazuhiro Takeda

オーディオテクニカ AT4040

Audio-technica AT4040 _ Microphone Comparison _ 4 clarinets by Kazuhiro Takeda

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今回使った機材を並べてみますね。

Audio-technica AT4040
なんとも素直な、ソノママを録ってくれるって感じの1本。
2020と比べるとキメの細かさが佳き。逆に2020には大らかなパワー感を活かすって選択も。

 
_後日追記_
だいぶ印象変わってきました。
ぜんぜん「ソノママ」とは言えないかも。
ノイマンの「録りたい音として仕上がった感じに近く録れる」と比べると、
「満遍なく全てを録りきってくれる」って感じ。
特に高次倍音域にその特徴が顕著みたい。ま、それをソノママとは言えるわけですけど。
イイカンジに録ってくれるマイクと比べると高域成分がタップリ居るんで、録ったままだとジャジャ馬な音とも言えます。
イコライズをしっかりイヂって仕上げる甲斐のある音素材を拾えるマイクってことですね。
 
その分、生音がちゃんとイイ音で出せてないと下手っピはちゃんと下手っピに聞こえます。
特にクラリネットなんかの高音域は、ちゃんとファットな音色を出せてないと線の細い貧弱な音色として「ちゃんと」録ってくれます。
ある意味、恐いマイクとも言えますね。
 
で、2020 との比較で言えば、4040 の方が中低域もしっかり録ってくれてるみたい。
2020 の方がその点「涼しげ」な録れかた。
「後ろ」に置きたい音とかは 2020 で拾うとインスタントに立場を作れるって使い途もあるかもしれませんね。

AKG C214
C414XLⅡの単一指向性版ってことだけど、414での目の覚めるような感じは少し欠けるかも。
とはいえ414XLS よりはシャリ&キラ感はあり、XLⅡ寄りではある。
逆近接効果というか…離れると中低域がスっと力なくなる感じあり、、マイクプリ使うと本来の実力を活かせるのかな?
 
_後日追記_
214 はコンデンサにしては「わりとオンぎみ」にセットすると XLⅡ系のキャラがちゃんと出るみたい。
それって「単一指向性オンリー」が原因みたい。ちゃんと狙ってあげないと録りたい音を録れないってな。
その点、XLS & XLⅡ は、単一指向性を選んだとしてもソコハカトナク拾うナニカシラがあるんでしょうね、、ソレが 214 & 314 との違いになってると印象してます。

↓マイナーチェンジした現行版?型番末尾に「-Y4」が追加されてる。ずいぶんと高くなったな…
ほぼ同じ値段で4つの指向性を選べる C314(414XLSの機能限定版) と悩むとこか、、
 
_後日追記_
輸入代理店が Hibino に変わって保証期間が4年に延びた、その結果が「-Y4」だそうです。
Y4 無し型番のは流通在庫のみでやがて収束するらしい。直で並行輸入なお店以外では実質値上げってことですね。

AKG C480B
銘機C451シリーズの後継で、シンバル収音にはコレ!なんだそうで。
最大音圧の高さが特徴だそうで…木管宅録には持ちぐされか(^_^;
音はとってもフラットで色づけない感じ、414と比べれば。とはいえ 5Khz から上が少し持ち上がった感じはAKGっぽさか。
 
_後日追記_
シンバル収音の定番は AKG C451B で、その後継かつ上位機種ってことみたいだけど、キャラは随分違うんじゃないかしら? 451 はアカラサマに高域をカッチリクッキリと切り出してくれるけど、この 480 はもっと素直で、中低域も自然に「居る」んで、むしろファットでガッツな感じです。

Neumann TLM103
不思議、ちゃんとノイマンっぽい音がする。キメ細かく品がよろしい。
勿論もっと高いノイマンの存在感には届かないけど。
とても素直にフラットっぽいけど実は5Khz辺りから少し持ち上がってる、そこはAKGと同じだけど細かく観察すると所々違うんだろな…。
 
_後日追記_
ノイマンといえばイメージの標準は U87ai だと思うけどその現代版と思ってよきかと。
高域の「ちょっと持ち上げたい」と思う辺りが、録ったままで「居る」みたい。
とはいえ、中域を中心にグッと押し出してくる不思議パワーはやはり本家87の方が強いかも、、ん〜、厳密には実験を重ねねば、、手元に87が無いから誰かんちで(^_^;
 
AKGとの比較で言えば、高域の「録れる感じ」は 87よりもAKG414系方向に振ったような感じ。
だが、中低域のキコエは随分と違って、意外とAKGの方が中低域は穏やかな顔立ちで、103 の方がガツンと輪郭を録れる感じ。
高域はどちらも「居る」けど、AKG はシャリキラでノイマンはスムーズでノーブルな感じ。
ちなみにオーテクAT4040 の高域は「盛大な倍音成分」が居て、音源によっては乗りこなせしにくい暴れ馬になるかも。
 
アマゾンには偽物が沢山並んでるので気をつけましょう(^_^;

↓は小型のマイクスタンドマウンタ付で木箱入り

↓は大型のショックアブソーバマウンタ付で紙箱入り。そんなに持ち歩かないなら充分に丈夫な箱。アルミケース入りのもあるけど随分と高い (^_^;

Focusrite Scarlett シリーズ
宅録用には必要充分以上なクオリティとコストパ。なにより真っ赤な艶消しアルミ筐体が愛らしくて好き。ツマミ類もメカメカしてなくて佳き。レベル表示の照明類も可愛らしい。
RMEのチッチャイのも持ってて、そりゃ音質は格段に良い(解像度とか輪郭明瞭な感じとか)んだけど、マイク4本を手軽に突っ込めるって用途にはコッチ。
Black Friday sale に修理品が通常新品の半額だったからポチり。
ルーティングのアプリも使いやすいしオマケのソフト類も充実。

Tascam US-4x4HR
マイク4本いっきに突っ込んで使える機種で安心感もありつつ1番安い奴。
スカーレットと使いやすさは変わらず。配信でループバック機能を使う人ならコッチが楽みたい、OBS対応を豪語してるし。
音質はスカーレットの上品さに比べるとガッツある感じ。用途次第かと。
あ、USBバスパワーで動くのは便利。

ちなみに上述の「RMEのチッチャイの」は Babyface Pro FS
上の二つとは別世界。もちろん上を見ればキリがない世界ですが、値段:音質のコスパは最上級かと。
「クラリネットがオケに埋もれずにモニターしやすい」
ソレってとてもスゴいことみたいです。
AD/DA変換が「反応が速くて精確」じゃないと生で聞こえてるような音色として伝わってこない。
特にクラリネットではそれがハッキリと判ります。
それに加えて、ヘッドホンアンプ部分もとてもよく作られてるみたい。なにしろ、インピーダンスの高い&低い用に2回路別々に用意してるくらいですから。
とにかく生楽器の音色をそのままにモニターできる最安ソリューションの1つと思います。

、、と、
本記事とは関係無いけど、これ欲しいな〜っな1本。
どうやら本記事の4本と全く違った個性で、なんか佳い生音を録れそうな
Aston Spirit

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