ロングトーン上達のキモは、あらゆる可能性への挑戦

昨日書いた「まっすぐなロングトーンへの近道」に追伸。
単に「マッスグ」を目指すのでなく、音圧・音高・音色のあらゆる可能性を試し、
思ったように実現するのを目指しましょうってことを書きました。
それらアラユルの中にマッスグも含まれてるわけなので。

昨日の記事は↓

ある1音をマッスグにしようとすると大抵「呼気圧を一定に」しようとしますね。
でも、「呼気圧」はマッスグに至る為の諸条件の1つでしかありません。
伸ばしている間に変化する要素は沢山あり、それら全てに即時的に対処し、結果的に呼気圧を一定にするわけです。

とりあえずここでは呼気圧の話をしますね。

伸ばしている間に身体の中ではナニが起こるか。
呼吸の領域は大雑把に分けて、
 1)日常生活の呼吸域
 2)努力して吸いきるまでの領域
 3)努力して吐ききるまでの領域
…の3つに分けられ、人によりそのパーセンテージは変わります。

2の領域で、ある量や圧の呼気を出そうとするなら大抵は抑制(=吸気方向の努力)が必要です。吸いとどめておく「力」を緩めると、素早く吐き出されてしまうからです。
1の領域に入ったら若干の呼気努力が要ります。
3の領域では更に呼気努力が必要で、吐き続けるにつれそれは増大します。

その程度の「伸ばしている最中に変化し続ける諸条件」は身体の各地に起こります。
「アラユル」にトライするのは、それらを知覚し対処する為の準備なのです。

さて、ある1音だけでなく楽器の全音域にわたって「一定の品質で」マッスグな呼気(=ある一定の音圧や音色・響き)を実現するとします。
全ての各音高で、呼気圧と楽器からの反作用圧とのバランスの取り方は変わります。
つまり音高ごとに違った身体操作が必要となります。

あらゆる音高で「アラユル」をトライすることが、各音高での必要に応じた丁度よい身体操作を見つける入口となります。
なので
「ある1つの答があるはず」
という考えに囚われず、様々な可能性に触れて回るのを怖れない心持ちが大切なのだと思います。

ここでは呼気圧の話をしましたが、それ以外の「揺れちゃう」要素についてはまた稿を改めますね。

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