「3度の練習」の克服法

吹奏楽なヤングの会話でよく耳にする
「連符、苦手~っ」
「3度、ムズい~っ」
はて、、なぜ?って考えました。

って同じ書きだしで先日は「連符」の練習法を書きました。

今回は「3度の練習」について。

○○を出来るためには△△が必要、
それが難しいなら、□□を最初に練習すべし。

…そういった考え方で、
「難しさの本当の原因」
からホグしていくような練習法を提案します。

※貴方が青春真っ只中で、時間が有り余ってるなら、
 賢い練習法なぞ考えずに、ガムシャラに壁に当たって砕けて強くなる!
 でもよいです。
 なので、時間が無い人向けではあります。
 けど「急がば回れ」なので根気は要りますよ。

☆後日追記☆_2020.04.25
本当に効果あるのか自分で試しました。
まだまだ初心者な楽器で1ヶ月ミッチリやったら、かなり効き目ありました。
その経験を踏まえ、以下少し直したり書き足したりします。
画像も8枚目以降は改訂版です。

「3度の練習」って?

このブログで扱うのは管楽器、主に木管の話です。
なので「3度音程を色々と動き回る練習」のことです。
中でも↓という形が一般的かつ必須ですね。

ピアノだと3度音程を保って並行移動する練習を指しますね。
バイオリンなど擦弦楽器での重音奏法も同じく。
でも管楽器は基本的に単音しか出せないので、上の譜面のような動きに熟達する練習をそう呼びます。

なぜ大切?

音階練習やアルペジオ(分散和音)の練習は、
 ・旋律の材料となる様々な動きの経験値を高める
 ・あらゆる可能性を触り、苦手ポイントつまり練習すべき箇所を洗い出す
 ・全調で触れると音程バランスの不具合に気付くので、微妙な音高操作のきっかけになる

…などなどの意味があります。
管楽器ではその練習を通して、無駄な動きを極力減らしてスムーズな操作を獲得する為と言えます。
「旋律表現の際の自由を獲得するため」とも言えますね。

3度の練習は、音階とアルペジオをクッツケて、
 ・豊かな旋律の要素を感じ取ったり
 ・スムーズな演奏実現を目指したり
…を目指すものだ、と纏めておきます。

なぜ難しい?

初心者にとっては最初の壁となりやすいですよね。
何故でしょうか?
 ・跳躍
 ・折り返し
この2つが難点の要因でしょう。

木管楽器では、すぐ隣りの音に移動するのは原則的に指1本動かせば済むので簡単です。
音域を越える箇所では、ゾロっと沢山の指を動かすので例外的難所になります。

調号が増えればすぐ隣りでも数本の指を動かすこともあり、そこも初心者にとっては難所ですね。
オーボエやファゴットでは、すぐ隣りでも複数の指を複雑に動かす箇所もあり、そこは難所です。
それらは、たかが音階とはいえ要練習箇所となります。

跳躍音程では大抵の場合、複数の指を動かす必要があります。
それだけのことなのですが、初心者には意外と難しいことです。

跳躍時によく起こる問題と対処

跳躍先の音に辿り着く直前に別の音が一瞬混ざることが多いですね。
複数の指を同じ方向に動かす場合は、

「開ける時は空に近い方から、閉じる時は地面に近いほうから動かす」

たったそれだけの気遣いで解決することが多いです。

いわゆる音階の練習を真面目にやった結果、
複数の指が同時には閉じにくい癖がつくものです。
その癖に反するような気遣いをしてやっと同時に動く、という理屈です。

クロスフィンガリングつまり複数の指を互い違いに動かす組み合わせ、の場合には別の対処法が必要です。
例えばフルートで F と F# を往復する時、右手人差し指と薬指はクロスで動かします。

その時、左手の中指と薬指を、右手薬指と同じ方向に動かせば F# と Bb の往復になります。
それはかなり複雑なクロスの動きですね。

2音の間に「余計な別の音」が挟まりやすいです。
あるいは、リードミスを起こしたり、別の倍音に不本意ながら飛んだりも起こしますね。

クロス運指のタイミングを上手にする方法、、、は稿を改めて詳しく書きま、、、
と思ったけど書いちゃう。

「間に挟まっちゃうイヤな音、を、わざと挟んで出す、のを上手にできるようにする」

はい、それだけです。
それがどうして効き目があるか、そのメカニズムは↓に詳しく説明したので興味ある方は御参照ください。
『フルートWarmUp 一石三鳥!! _ おまけ:初めての音階とアルペジオ_』
 http://bit.ly/KT_FluteWarmUp

ともあれ、すぐ隣りの音よりは跳躍時の方が問題が起こりやすいわけです。

「折り返し」って?

音階的に音が連なるメロディーを吹くとします。
ツルツルと昇って昇って、ある所で折り返して降りるとします。
するってぇと、折り返せずに昇り過ぎちゃう。
練習不足だと、そんなことが起こりやすい。

慣性の法則なんですかね。
その昔…飛脚って長距離を長時間走り続けるじゃないですか。
ある動きを長く続けていると、それをすぐにやめるのは難しいんですってね。
休憩するには「走る」を一旦やめねばならぬ。
次の人足に引き継ぐ中継地点としての飛脚小屋。
その壁に激突して、それでもしばらく脚をバタバタさせてからようやく止まった。
嘘か誠か、そんな話を聞いたことあります。

ま、それほどに命がけではありませんが、
身体の無意識な都合でメロディーを吹き間違えるのは残念なことですね。

「折り返し」はなぜ難しい?

ついさっき上げた指を直後にまた下げねばならない。
しかも、そこに至るまで「上げる、上げる、上げる」を連続した後に行うのは、飛脚が止まるように難しい。
下げる下げる…の後に折り返すのも同じく難しい。

しかも3度練では、跳躍音程と順次音程(隣り合った音)の動きが絡み合います。
結果として、昭和のお笑い的に言うと、
「赤あげて、白あげないで、赤さげない」
で、赤を下げて笑われるってことが起こりやすい。

※ 実はこの問題って「リズム感」も大切な解決要素です。
  けど、その点については稿を改めてゆっくり書きますね。

効率のよい解決には…

折り返しの練習 と 跳躍の練習
を、それぞれ別々にやり、やがて合流させる、
といった工夫で解決に近づくと思ってます。

というわけで、具体的な練習プロセスを紹介します。

折り返しの練習

譜例はテキトウな音域で例示します。御自分の楽器の全音域に拡げましょう。
移調楽器では御自分の楽器の読み方で読んで結構です。
全てCメイジャー(ハ長調)のみで例示します。
全てのキーで練習しましょう。
「玉の位置はそのままで調号を付け替える」
という練習法は良い頭の体操になるし、
「どのキーも主音からしか始められない」という病
から解放される佳い方法です。

とはいえ、最初は譜例どおりに、Cメイジャーだけで一通り最後まで吹いてみて、練習の全貌を味わいましょう。
それから全キーに練習を拡げるほうが気楽で佳きかと。

譜例02 を吹いてみましょう。

わりと簡単ですね。
譜面は五線のすぐ下のCから始めてますが、このパターンを御自分の楽器で発音の気楽な音から始めても構いません。

スピードをどんどん上げましょう。
ただし「全ての音の長さを均一に」

すると、壁になる箇所がありスピードアップに限界が見えるでしょう。
では、譜例03 を吹いてみます。

より簡単な練習ですね。
各小節のスピードアップに挑みましょう。
すると、先程「壁」に感じた箇所は、
回数を多く練習したくなるでしょう。
はい、沢山やりましょう。

その後また譜例02 に戻ると、さっきよりスムーズになってることでしょう。
折り返しの練習は、より複雑にもできますが取り敢えずこの2例だけでヨシとしときます。

跳躍へのホップ(第1歩)

ガムシャラに跳躍音程に触りまくらずに、音階の仕組みとの関係を感じ取りながら跳躍音程を味わうように練習すると、音楽の理解と表現の土台づくりにもなります。

というわけで、譜例04 を吹いてみましょう。

順次進行・折り返し・3度音程
といった要素が含まれます。

これもスピードアップに挑戦!
また壁に出会いますよね(^_^;
そこで、譜例05 を練習してみましょう。

各小節は、たった3つの音を、
昇って昇って昇って
か、
降りて降りて降りて
…と繰りかえすだけ、と思うと気楽になります。
跳躍を意識せずとも自動的に必要な動きが身に付きやすいです。

けど、
跳躍の際、間に余計な音が挟まるのに気付いたら、
上に書いた「空に近い・地面に近い」を思い出しましょう。

この練習は全てスラーで行うと、運指の問題が原因の
「余計な音の挟まり」
を洗い出しやすく、練習ポイントを見つけるのに効果的です。

跳躍へのステップ(第2歩)

さて今度は、
いきなり3度の跳躍から始める、
けど、さっきのが出来てれば簡単な練習です。

ですが、
跳躍と順次の関係が変わり、殊に折り返しの箇所が意外と壁になります。
その点は、譜例02 が楽珍になってれば壁は低くなります。

これも壁にあたったら譜例07 を入念に練習しましょう。

これ実は、譜例05 とソックリなのですが、
 ・始まる所が3度跳躍
 ・最後の2つの音への折り返し
…の2点がイジワルな練習ポイントです。
入念にこなせば、譜例06 はガラリとスムーズになるでしょう。

跳躍へのジャンプ(第3歩)

ちょいとヤヤコシイ練習ポリシーの理解から始めます。
「隣り合った2つの音を、1つのグループと扱う」

譜例08 を見てください。
いかにも2つの音が仲良しに書かれてますね。

仲良し(グループ)の2音が
先ずは「昇る」の関係で全体としても昇っていきます。
次に「降りる」の関係で全体としても降りていきます。

2つ目の音をスタカートにしないように。
更に、ディミニュエンドを加えると、
 ・楽器でのダイナミクス操作
 ・アポジャトゥーラ
の練習になります。
アポジャトゥーラとは「非和声音から和声音に解決する箇所、あるいはそこで行われる自然な音圧表現」のことです。
少し難しく言ってしまいましたが、殊にクラシカルな演奏では大切な概念です。
そのうち詳しく説明しますね。

さて、
2音が仲良しとの気持を保ちつつ、休符を省いてクッツケると譜例09 になります。

2段目のように「8分前に」倒したリズムでやると、
 ・和声進行で「解決」の直前直後での「気の持ちよう」
 ・スインギーなノリ方
…などの練習になります。
以下の全ての譜例に応用できます。

ここで「捉え方」を確認しておきます。
「2音ずつのグループが、昇る昇る昇る…と連なっている」
と捉えます。

次に、
「2音ずつのグループが、昇る降りる昇る降りる昇る…と互い違いに並ぶ」のが、

10′ は、10 とは逆に「降りる」から始まるパターンです。
クラリネットなど、音域で運指が変わる楽器では、思わぬ落とし穴を見つけられるかもしれません。

更に、
「2音ずつのグループが、全体が上行形の時は降りる降りる降りる、全体が下降形の時には昇る昇る昇る…と並ぶ」のが、

ありゃ?

およよ!

気付きましたか?

譜例11 の最初の音を省いて「見る」と、いわゆる3度の練習の形になってますね。
ということは、、、↓をやってみましょう。

今まで難しいと思ってた音型が意外と簡単になってませんか?
ここまでの練習が全て報われました!
順次進行・折り返し・3度跳躍
全ての練習要素が今ここに結実 ^_^

さらなる飛躍を

さてここで、
「2音のグループ」を「隣り合った2音」
ではなく、
「3度音程の2音」
としてみます。
上の譜例12 は、それらを「昇る昇る昇る…」と並べたことになりますね。

「昇る降りる昇る降りる昇る…」と並べてみると、

「降りる降りる降りる…」と並べると、

、、、おっ!!
これって、もうヒトイキで「4度の練習」、ですよね?

はい、鋭い方はもうお察しの通り、
このパターンで、5度、6度、7度、、、
無理なく拡げていけます。

パターンを理解できてれば、この先を御自分で書き出せば練習を進められますよね。
え? 面倒くさい?

はい、用意してあります。
『孫の代まで使える音階練習本』
 http://bit.ly/KT_magomade

↑の本ね、ここで説明した以外のことも沢山書いてありますが、
飛び飛びで読めば、上記のパターンをゾロリと続けられるようになってます。

ちなみにこの練習パターンは、
音階調性

階名
の理解があると猛烈に効率よく深められます。

それらについては↓を御参照くださいませ。
『カエルとアラレで音階名人・第1巻』
 http://bit.ly/KT_kaeruarare1

運指速度の更なる向上を目指すなら↓
『爆奏!速弾き速吹き名人』
 http://bit.ly/KT_hayabiki-hayabuki

というわけで…

根気の要る練習ではありますが、
音階の仕組みと仲良くなりつつ、無理なく可能性=自由を拡げる方法として愉しんでいただければ幸いです。

こんな感じで、理路整然とした練習が好きな人向けのソリューションをお届けするのが趣味です。
「コレってどうしたらできるようになるかな?」
ってリクエストあらば気軽にお寄せください。
猛烈に時間のある時にユックリとお応えします。

あ、もちろん、レッスンに来ていただければ手っ取り早いです。
お問い合わせ気兼ねなくどうぞ♪

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