答は音の中にしかない。
どんな先生や教本の言葉より音楽自体に聞こえる出来事こそ雄弁。
Omnibook, Charlie Parker, ラジカセ…
オムニブックって本が有名です。
ジャズ史でのバッハみたいな人、チャーリー・パーカーさんのソロのコピー譜集。
昔からジャズの言葉を学ぶ資料として重用されてきた。(ビバップ以降のね)
数十年前高校生の頃、神田の古書店で入手して、なるほどふむふむ、、
う~む「この譜面を読んで演奏する」のは「なんて難しいんだろう」
と思いました。
数年後のある日、ラジカセで再生&巻き戻しを繰り返して、譜面に書き落とさず、すぐに楽器で真似るってしてみた。何曲かしてみた。
聴き分けられるかぎり、なるたけ真似した。
今から思えば聞き間違えも多かったはず。
ショボいラジカセだったし。
まずは「音から」だぁね
忘れると勿体ないから譜面にも書きおとした。
そうしてからオムニブックを開いてみた。
、、、
ん、なんか色々と違うぞ (^_^;
とはいえ、その違いを咀嚼しつつ読み替えたりしてみたら
「音を聴かずに、ただ譜面を読んで楽器操作に置き換える」
よりも数十倍、つるりと吹けるようになった、、気がした。
つまり、
聴いたことのない音楽を「曖昧な」譜面から的確に再現する、
それこそが難しかったわけね。
譜面の無力さを痛感しつつ、自分が書く時には
極力「伝わる」ものを作らねば、などと思った。
そおいえば、それより数年前まではLPレコードで針を上げたり降ろしたりして真似してたな。
そん時は、譜面よむよりツルリと吹けたり覚えたりできてた気がする。
今振り返っても、そうやって覚えたメロディーこそ覚えてたりするんだわな。
オムニブックの著者は管楽器奏者じゃないよな…
その時以来、↑そうなんじゃないかと思ってる。
ちゃんと調べてないけど。
管楽器奏者なら起こさないような聞き間違いが散見されるから。
コードネームに惑わされた結果と思える違いも見当たるし。
なんて文句言いつつ何十年も自分ではちゃんと書き起こしてこなかったなぁ(^_^;
レッスンの生徒が…
チャーリーさんの真似なんて久しくしてなかったが、生徒が
「セッションでビリーズバウンス吹きたい」
などと言うので久しぶりにガッツリ聴きこんでみた。
あ、目からウロコ、、、
「こ~いう曲だよね~」って思ってたのと違うとこ沢山。
チャーリーさん、とても繊細に色々ヤってるんだわね。
漫然と聞くだけでなく、聴き分けようとしないと気づかないことばかり。
ま、数十年前だと今みたく聴き分けもできなかっただろうけどな…。
ディスコものの譜面つくってても、数年前には完璧!って思ったコピーも今聴くと違うってのいっぱいあるし。
感動しちゃったもんでちゃんと譜面にしてみた。
で、ここにも貼ってみちゃう。
赤くしたとこがウロコ落ちた箇所。
やっぱマイルスかっけー!
Billie’s bounce って曲で最も有名な 1945年 Savoy盤の第5テイク。
トランペットはマイルス・デイヴィスさん、も~最高にかっけー!
彼のソロ、5小節目の強烈なブルーズ感とか、数年後を予期するような2コーラス目頭のモーダルな旋律とか、、
じゃなくて!
こらえてこらえて、、、最高な瞬間に見事なミストーン!
その「間」が天才的。
その様子も「菱形音符」で書いてみました。
たぶん今まで見かけたコピー譜、どれにも書いてなかっただろな。
小玉・バツ玉・菱玉…
音圧変化も書き出してみました。
サックス的にはハーフタンギングで、トランペット的には on/off な感じ(?って言うのかな?)で音圧下がってる音は「小玉」。
もっと殺してて「殆ど聞こえない」音を「バツ玉」。
明らかなミストーンを「菱玉」。
パーカーさんの楽器…
その時どんな楽器を使ってたのかは知らないけど、、
第2オクターブの実音G、やはり上ずる傾向はあるみたい。
なので特に、メロディー1小節目2拍目ウラの音は、諸説分かれるようで。
(もちろん他の箇所でもコントロールしきらず上ずってる箇所は散見されます)
とはいえ、
今回コピーしてビックリしたのは、4回あるテーマのうち4回目だけ、その音をクッキリと「G#」にしてるってこと、マイルスさんも。
と、
第1オクターブの上端あたり、実音D〜Eあたり、あるいはD音だけ特にブラ下がるような楽器なのかセッティングなのか。
それを修正するために、第2オクターブから跳躍して降りた時に、ベンドアップしてる回数が多いように聞こえる。
が、もちろんそれは音楽的表現としてそう奏でてる可能性もあるので、同時期他曲でも検証を深めようと思う。
コピーたのし
これは Macbook の内蔵スピーカで書いちゃったんだけど、昔のラジカセと比べるとオーディオの進化って素晴らしいな。
ヘッドフォン、イヤフォン、諸々、とても聴き分けやすくなったから、コピーするの愉しい。
今は AI なアプリで、ヴォーカルなど「あるパートだけ」を抜き出して聞いたりするの簡単みたいだけど、なんかね(^_^;
2ミックスの音から聴き分けるほうが愉しいや。
山があるから登るわけで。
またなにかに感動したらコピー譜投稿するかもです。
transcription “ Billie’s bounce “
Charlie Parker, Miles Davis, Dizzy Gillespie(pf), Curley Russell, Max Roach
as played on most famous Savoy session 5th. take
!訂正!_↑の2段目、最後の小節、4拍目の中の「F♯」は「F♮」つまり臨時記号無し、です。
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出来心でアマゾンで検索してみたら、うわ、、
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うぎゃ!第2巻なんてのまであるのね?!
で、オムニブックって名の下に沢山の偉人達コピー集が出版されてるようで。
いやぁ、隔世の感ですな~(^_^;
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