どうすればいいんだろう?
楽器を吹く人は誰でも思いますよね。
練習法や得るべきスキルについては語り尽くされてるし、
僕自身も他稿に譲るとして、ここでは、
最初に必要な「気の持ちよう」について幾つか並べます。
コンナコトが意外と最初に不可欠なんだと思います。
あ、楽器の調整はバッチリってのが前提ってことで〜♪
憧れる音の明確なイメージを持つこと
「よい音」は百人百様で佳きかと。
世界でたった一つの「この音色!」を目指すなら、
その音をサンプリングしたシンセサイザーを弾くのがベストなわけで。
シンセではなく不便な身体と原始的な楽器を使うのは、
「その人にしか出せない音」
って魔法を知ってるからでしょう。
「貴方が出したい音色」のイメージを明確にするのが良い音への第1歩。
目指すイメージが無ければ、向かって行けないし上達の程度も測れません。
それを持つのに一番よい方法は、
沢山の人の演奏を聴くこと。
できれば生で、PA(拡声装置)を通さず、ホールなら最前列で聴くべし。
PAを通したり録音された音や、ホールの後ろの方で聴いてる音、
それが実は
「演奏者本人にはこう聞こえてる(のに近い)」
というのを体験すべきです。
(本人には頭の中の骨伝導で聞こえる音とミックスされるから本人と同じ体験は絶対にできませんが)
間近で聴く実態は、遠い耳で聴くのとは意外と違いが色々です。
それを知ることで、自分の音の評価の仕方や、
練習の目標設定は変わるでしょうから。
もちろん最初は、PA経由・録音装置経由・ホールの後方での音に触れるのも大切です。
そこで「憧れ」が芽生えたら是非、生の音を確かめましょう。
・どんな倍音の含まれ方なのか、
・どんな雑音の含まれ方なのか、
・音圧の変化に応じて如何にそれらは変化するのかしないのか、
・音楽の表情に応じて如何にそれらは変化するのか、
・発音の瞬間に何が起きてるのか、
・発音~伸びてる間~音のお尻のあたり、どんな音圧/音色の変化が起きてるか
それらを分析的な態度で聴き取ることはきっと練習と自己評価に活かされるでしょう。
今の自分を赦し、未来に期待して慌てない
ローマは1日にして成らず、です。
初心者は変な音で当たり前です。
何故でしょうか?
良い音の実現に必要な操作スキルと、
それに必要な評価の感覚。
それら自体とその精緻さを持ってないからです。
楽器操作に必要な筋力は大抵、楽器を吹かない限り誰にも不要なものです。
結果の音を評価し、より良い結果に繋げる為の、より精緻な神経伝達。
それも同様です。
それらは練習を経て、ゆっくり時間をかけて育つものです。
外国語会話と似てます。
知らない単語は知らない&聴き取りにくいのは当たり前。
聞き覚えの無い母音/子音は聴き取りにくいもの。
声色や表情で変わる微妙な意味合いも最初は判るわけありません。
それらの獲得には必ず時間がかかります。
思ったような音色でないのは当たり前。
だから時間をかけて練習します。
そうして必要な筋力と神経伝達を育てます。
今日練習したから明日、名人と同じ音になるわけはありません。
だから毎日続けて少しずつ変わって行きます。
それでよいのだ、と今の自分を赦す気持が大切です。
ガッカリして諦めたらそれでオシマイですから。
根気よく続けていれば必ず変わります。
面白いこと。
最初は憧れた音を目指すわけですが、
根気よく続けているとやがて、
「貴方にしか出せない音」
に辿り着くものです。
そこに至って初めて、
「シンセじゃなくて、面倒くさくて不便な楽器と付き合っててヨカッタね」
となるのでしょう。
大袈裟ですが、、
貴方が自分の生きてる甲斐を感じられる行いでもあるわけです。
録音機を活用しよう
自分の音色こそ最も聴き分けにくいものです。
録音された自分の声を「変だな~」と思ったことはあるでしょう。
管楽器の場合も必ず、骨伝導で頭骨経由で聞こえる音と、空気を経て鼓膜に届いた音とのミックスとなるので同じです。
どんな録音機であれ人の耳と全く同じく聞こえるような記録と再生は叶いません。
ですが、骨伝導ミックスと比べれば客観性はかなり高いです。
「変だな~」な音&自分で聞こえてる音
そのギャップを計算に入れて評価し、目標設定しましょう。
工夫を恐れない
巷で言われる「こうすべき」といったことに意外と縛られるものです。
よくコマーシャル映像などで見かけるけど、
サックスのマウスピースを上下逆に付けてるって奴。
アレでも演奏できます。
横向きに付けても、です。
縛りの外側に意外な可能性は沢山転がってます。
それらを全て試し、自分にとって有益と思われる方法を見つける工夫は、幾らでもしてよいです。
「アンブシュアが崩れるから」
とよく耳にしますが、
アンブシュアとは、その時々に求める音色・音圧・音高に応じて柔軟に変化するものです。
最低限必要と思われる筋力と神経の精緻さを身に付けたと思ったら、
恐れずに「枠外」の可能性にどんどん挑戦しましょう。
それが貴方の表現を拡張してくれるはずですから。
…というわけで、
いくらでもまだ書けますが取り敢えずこれくらいにしておきます。
目標を明確にすることから始めて、ジワジワと根気強く音質改善を愉しみましょう!
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