ジャズ無窮動トレーニング、管楽器での使い方の工夫

ジャズ無窮動トレーニングシリーズ。ギタリスト道下和彦さんの。名著だと思います。
ジャズでの「喋り方」、典型的なコード進行の上で、よくある節回しに休符を一切挟まず沢山触れまくる。
「弾き始めたら止まれない、休符のない練習曲」
って表紙に書いてあるとおり。

リッチなメロディとするには勿論リズムの工夫も要るわけだが、先ずは兎に角どんどん触れることで、旋律造りの基礎力が最短で身につきます。

付属CDにはコード進行と譜面どおりの旋律例が録音されてます。
筆者(当ブログの)は生徒にオイシク使う順番を伝えてます。

譜面を見るまえに沢山聴いて口ずさめるまで覚える、それを楽器でも再現、最後に楽譜を見て確認。
その順番で使えばソルフェージュ能力(聴いてそれがナニなのか判断したり、己の中のイメージを明瞭に把握し再現する)爆アガリ!っとなるはずです。

譜面を見るまで「掴みきれない」音があったとしても「そこはオミソにしといて」とにかく進めます。
謎のままにしとく「なんか悔しいな」って気持があってから最後に譜面を見た時、種明かしの瞬間の印象強さは格別なはず。

最初に譜面見ちゃうと育つ機会を失うスキルがそこにあります。
せっかく模範演奏の音があるならそんな順番が一番勉強になるでしょう。

あ! 改訂版が出るとしたら注文が1つあります。
付録CD、各課題音源の先頭にカウントと共に「トニックの和音」を鳴らしてくださいませ!🙏

ただ「休符が無い、休みなく続く」ので管楽器奏者には使いにくいとも言えます。
その点は著者も当然解ってて、
 ・ところどころ音を省いたり
 ・リズムを工夫して休符を作ったり
といった練習法を提案してます。

音域についても、オクターブを変える時の気の使い方や、素敵な変え方なども書いてくれてます。

なのですがレッスンで使ってみて、なかなか佳い効果につながる工夫を新たに思いついたので書き留めておきます。

例えばこんなフレーズが…

シリーズにはザックリわけて3種類。

最初に出た「ジャズ無窮動トレーニング」は、8分音符がゾロゾロ。
よく見かけるビバップのフレーズ集の類に似た印象ではある。

「コンテンポラリー・アプローチ」編は、モーダル・マイナーを深追い・アッパストラクチュア・コルトレーンチェンジ等・アウト…などなど書名どおり。

「基礎」編は「四分音符ゾロゾロ」!
実はそれこそ入口なのだ!ってとこが素晴らしい!
ベースラインもメロディーなんだよね、って視点から入ってく。
「これなら誰でも挑戦しやすいですよね」
から入って、いつのまにかカッコいい音遣いに触れさせてくれる。

1小節あたりの情報量が少ないから、1音ごとに味わいと意味解釈をジックリできる。
実はこの基礎編こそ最大の名著!と筆者は感じてます。
この「基礎」を解ってないと、他の2冊も味わいきれませんから。

基礎編は、いわゆる 1625 から始まります。俗に循環進行などと呼ばれるコード進行。
その上で、例えばこんなメロディが紹介されます。
(書き写すのはよくないんで、今、筆者が似たようなのを捏造します)

まぁ、息継ぎのチャンスは無いわけです💦

管楽器には息継ぎが要るので…

著者は管楽器向け工夫というよりか、リズミックなアイディアを育てる方法としてって側面こそ強めに紹介してますが…、

工夫1_「抜いちゃえ」。原著ではその紹介を8分音符ゾロゾロでしてますが、強いて↑の譜例を使って説明してみると…

工夫2_リズム変えちゃえ

なるほど、これなら息継ぎできますね。

ハーモニックリズムのセンスも育てる工夫

生徒とのレッスン中に思いついて、とても愉しく練習できた方法。

ハーモニックリズムって言葉があります。
大雑把に言うと、あ、つまり例外は沢山あるけどオオカタの傾向としてってことね…

「偶数のとこが不協和で、奇数のとこが協和」
小節単位でも拍単位でも8分音符単位でもその偶数・奇数は当てはまります。
もっと大きく、たとえば4小節ごとに改行するレイアウトの譜面だと、偶数段・奇数段って捉え方も有り得ます。

今見てるような譜例のコード進行ならば、偶数小節が不協和で、奇数小節が協和。
 ・偶数のとこで「ドコに向かうんだろ?ってドキドキ」
 ・奇数のとこで「おぉ、落ち着いた、ホッとするわね」
ってこと。

協和の軸というか核というか、は、その曲の主調たるトニックの響きに限らず、
サブドミナントでもドミナントでも「不協和から協和へ解決する」ターゲットになり得ます。

あるいは、不協和の強いコードがあるターゲットを暗示する場合、そのターゲットに落着すれば、それも協和点と捉え得ます。

解りにくい説明になりましたが、機能和声法ってそういうことってことです。
モヤモヤドキドキ と ホッ を行き来して時間を進めてくわけ。
で、
メロディはその様子を助長したり、あるいは曖昧にしたり、緩和したり、って工夫しながら紡がれるわけ。

なわけで、メロディを作れる、に至るにはこのハーモニックリズムの感覚を育てるのって大切。

で、お待たせしました。こんな風に無窮動を使ってみます。
あ、必ず伴奏付きで練習します。付属CDでもよいし、iReal など使えば好きなテンポとグルーヴ、そしてエニーキーで練習できますね!

「偶数小節+1音」を吹いて、あとは休符にする。
不協和から協和に落着する時、旋律が如何にふるまうものか、そこ「だけ」を体験します。

逆にしたわけ。
協和点で旋律は如何にユルユルと喋るものか、そして「次の新しい話を始める」不協和点に「繋げる」なら如何に繋げるのか、だけを体験します。

生徒と先生、みたいな環境なら↑を組み合わせて↓こんな風にもしてみます。

休み休みなので疲れ果てません。

ハーモニックリズムを示しつつも、ひたすら繋がっていく旋律、
つまり、どんな心持ちでその箇所を吹くものなのかってのを体験しやすい。

2小節ごとに交代するのもアリですね。各段の左側がどっちかと言えば協和、右側が不協和って感じながら。

先生役と生徒役を交代もしてみます。
ここまで辿ってくれば、上に書いた工夫1と工夫2も生徒自身が巧く作れるようにもなりやすい。

てなわけで…、

とりあえず新たな工夫の1つを書き留めました。
他にも幾つかあるんですけど今日はここまで。

ジャズ無窮動トレーニングをアマゾンで探してみると…

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